札幌スピリチュアリスト・ブログ

スピリチュアリストとして日々感じたことや、考えたこと、書籍の紹介などを徒然なるままに記します。

人類の歴史への回顧と何故今スピリチュアリズムなのか

f:id:tatsuf18:20200124074844j:plain

人類の精神史を俯瞰する
 最近、これまでの人類史を俯瞰する試みが知の巨人と言われる方々の文献を読んでいく中で散見されます。ここ数回紹介させていただいたサピエンス全史やオリジン・ストーリーもそうですが、人工知能に関する書籍やこれからの近未来について書かれた書籍の中にも人類史を回顧する試みが多く見られます。日本は現在人口減少社会を迎えて、平成元年頃(30年前)には毎年70万人くらい死亡数だったのが、現在は約140万人と倍加して、今後も増え続けていくことが予測されます。そのような時代背景もあって、終活という言葉が巷で多く聞かれるようになったことも頷けます。少子化によって、人口が減少に転じるとともに高齢化率が上昇し日本はある意味で成熟社会に入ったと考えても良いのではないでしょうか。一方で、第4次産業革命とかSociety5.0という言葉に見られるようにサイバー空間と現実社会(フィジカル空間)が高度に相互連携を果たしてAIの登場によって、人間の労働の価値が問われる中で人間の本質について深く考えざるを得ない状況になったとも言えます。

 日本人の書いた書籍の中にも多くの知見が溢れていますが、立命館アジア太平洋大学(APU)学長でライフネット生命創業者の出口治明氏著の「哲学と宗教全史」は古代ギリシャから現代まで、100点以上の哲学者・宗教家の肖像を用いて初めて体系的に語る教養書とされていて、今月に入って一気に引き込まれて読みました。そこで、ふと思ったのはこれまでの長い人類史の中で人生100年時代と言われる現代ほど、人々が長生きしている時代はありません。数千年に及ぶ人類の叡智をインプットして、しかも戦乱に明け暮れる地域は別としてそれを収集整理して、現代人が必要とする知識や技術、更には思想・哲学へと転換してアウトプットすることが可能となった時代はないという事です。出口氏の著書を読むと人類の精神史を形成してきた哲学者や宗教指導者がその時代の平均的な寿命よりは長く生きたかもしれませんが、現代人と比較して比較的短命であったことが分かります。その意味で現代人は過去の人々の叡智を十分に時間をかけて、しかも情報技術の発展の恩恵を受けて整理された形で学ぶことができるのです。

人口減少・成熟モデルとスピリチュアリズム

 日本は今後、本格的な人口減少・成熟社会を迎えるということは悲観する必要はなくて、しっかりした人口減少社会のモデル、持続可能な社会のモデルを構築できれば人の幸福の実現という面で、新しい生き方の先駆けを組み立てられる可能性を持っていると言えます。現在その日本で、死生観に関する議論が多く展開され、書店に行っても精神世界や死後の世界に関する書籍が増えているというのは、正しい意味でのスピリチュアリズムが浸透していく上で、その土壌が整えられてきているとも言えます。同時にこれまでの物質至上主義、唯物的な価値観の限界も至るところで露呈しつつあります。その意味で現代は高い精神性(利他性)に根ざした持続可能な社会を目指すか、これまでの物質的な価値観や利己性に根ざした狭量な価値観に埋没してしまうかの分岐点に立っているとも言えます。

 スピリチュアリズム運動が地上に展開されるようになった1848年から既に150年以上が経過し、シルバーバーチの霊訓が世に現れ霊媒のモーリス・バーバネルの死後40年近い歳月が経過した現代は特殊な時代です。それは長き歴史をかけて多くの先達が人類の霊性の向上に向けた努力を徐々に発展させてきた地上人側の蓄積と既に他界してそこで更に多くの経験を通して高い霊性を持った霊界の高級霊からのメッセージが霊媒現象を通して地上世界で交わって一つの大きな流れとなって人々の知性と霊性に刺激を与えつつある時代だからです。このブログでもこれまで何度も紹介してまいりましたが、是非多くの皆様がシルバーバーチの霊訓スピリチュアリズムの思想体系に触れられて全ての人々に必ず訪れる死後の世界の正しい知識を得て、充実した人生を送られるように願ってやみません。

※参考資料 出口治明氏著「哲学と宗教全史」内容紹介:
☆はじめに──なぜ、今、哲学と宗教なのか?  
☆第1章──宗教が誕生するまで 
☆第2章──世界最古のゾロアスター教がその後の宗教に残したこと 
☆第3章──哲学の誕生、それは“知の爆発”から始まった 
☆第4章──ソクラテスプラトンアリストテレス
☆第5章──孔子墨子ブッダマハーヴィーラ 
☆第6章(1)──ヘレニズム時代にギリシャの哲学や宗教はどのような変化を遂げたか 
☆第6章(2)──ヘレニズム時代に中国では諸子百家の全盛期が訪れた
☆第6章(3)──ヘレニズム時代に旧約聖書が完成して、ユダヤ教が始まった 
☆第6章(4)──ギリシャ王仏教徒になった?ヘレニズム時代を象徴する『ミリンダ王の問い』 
☆第7章──キリスト教大乗仏教の誕生とその展開
☆第8章(1)──イスラームとは? その誕生・発展・挫折の歴史 
☆第8章(2)──イスラームとは? ギリシャ哲学を継承し発展させた歴史がある 
☆第8章(3)──イスラーム神学とトマス・アクィナスキリスト教神学との関係
☆第8章(4)──仏教と儒教の変貌
☆第9章──ルネサンス宗教改革を経て哲学は近代の合理性の世界へ 
☆第10章──近代から現代へ。世界史の大きな転換期に登場した哲学者たち  
☆第11章──19世紀の終わり、哲学の新潮流はヘーゲルの「3人の子ども」が形成した     
☆第12章──20世紀の思想界に波紋の石を投げ込んだ5人

・参考になった書評 岩佐文夫氏