札幌スピリチュアリスト・ブログ

スピリチュアリストとして日々感じたことや、考えたこと、書籍の紹介などを徒然なるままに記します。

2020年を迎えて、これからの10年を展望する

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新年あけましておめでとうございます。

 あくまで一スピリチュアリストの個人的見解として、近年の歴史を振り返って見ると時代の節目、節目で価値観が大きく転換する分岐点が存在するように思います。例えば、1848年という年は人類史にとって大きなエポックメイキングの年でした。それは、一方でカール・マルクスフリードリヒ・エンゲルスが共同で執筆した「共産党宣言」が出されて唯物弁証法唯物史観が世に現れた年であり、フォックス家事件(ハイズビル事件)が起こってスピリチュアリズム運動が本格的に展開し始めた年でもあります。その後20世紀は2度の世界大戦を経て、東西冷戦時代に入り、1989年にはベルリンの壁の崩壊、ソビエト連邦の解体などを経て唯物論に基づく共産主義国家というのは次第に地上から姿を消して行きました。その後経済システムとしては資本主義体制がほぼ地球上の全ての国々の共通のシステムとなりましたが、矛盾を内包しておりそれが次第に大きくなりつつあります。

 一方でスピリチュアリズムの歴史を振り返ると、1981年には約60年に亘って霊媒のモーリス・バーバネルを通して人類最高の叡智である霊界通信を送り続けて来たナザレのイエスを頂点とする高級霊団の総意を結集したシルバーバーチからの通信がバーバネルの死とともに終了し、40年近くが過ぎました。日本ではスピリチュアリズム普及会の皆様が世界3大霊訓を始めとしたスピリチュアリズムの文献と記録を収集整理・体系化されてHP上に掲載され、どなたでもインターネットを通じて霊的真理に触れる機会を多くの人々が享受できる時代が訪れました。

 2001年9月11日に生じた米国同時多発テロ以降、 米国の政治学者サミュエル・P・ハンティントン 教授の著書「文明の衝突」が現実味を持って論じられるようになり、宗教的価値観の違いや民族間の対立は東西冷戦終了後、返って先鋭化するようになっています。今日、全ての産業のデジタル化が進み、AIの急激な発展によってシステムとしては利便性が高まってまいりましたが、一方で人と人との心の繋がりが希薄化し、経済格差の拡大は持続可能な社会の脅威となりつつあります。

 2020年という年は、これまでの目に見える物質を中心とした価値観(それは政治経済システムだけでなく生活のあらゆる側面に亘る)では、もはや乗り越えることができない臨界点に人類が達しつつあることを人々が実感として感じはじめる節目の年になるように感じます。精神文明の興隆は東西文明の融合と和の文明を併せ持った日本の地から展開していくのではないでしょうか。今日の日本が様々な面で行き詰まりを抱えているのは、新しい時代に入っていくための産みの苦しみのようにも思います。経済成長至上主義から、これからの10年は全体と個の調和の取れた高度な精神文明の発展に向けた10年の始まりと捉えることができるのではないでしょうか。我が国がこの度の東京オリンピックパラリンピックを通して世界の平和と調和を平和の祭典を通して訴える年として位置づけていければ、そして原発の危機から日本を救ったFukushima50と言われた原発を最後まで命がけで守り抜いた人々の尊い犠牲精神を手本として利他愛を世界の人々に示していければ、混乱に満ちた今日の世界に希望の光を与えるきっかけとすることができるに違いありません。皆様とともにそのような1年にして参りたいと思います。本年も何卒、宜しくお願い致します。