札幌スピリチュアリスト・ブログ

スピリチュアリストとして日々感じたことや、考えたこと、書籍の紹介などを徒然なるままに記します。

今日の社会的課題の解決の道とスピリチュアリズム

 

f:id:tatsuf18:20190303165811j:plain

 今日の世界を大きな視野で眺めてみると、フィジカルな世界(物理的な空間)とデジタルな世界(サイバー空間)との関係がより密になり、情報通信技術の発展によって世界の人々の距離が一面では縮まったように感じる一方で、一人一人の人間を見るとこれまで以上に孤立を深めているように感じます。情報通信技術は人々の生活に利便性をもたらした一方で、複雑に絡み合う社会問題の解決という面ではまだまだ出来ることは限られていることが明確になってきたようにも感じます。

 英国では、孤独担当大臣という新しいポストが誕生しました。総人口6600万人の1割以上に当たる約900万人が年齢を問わず「孤独」の影響を受けているといいます。この時代の課題である「孤独」は1日たばこを15本吸うのと同じくらい、健康に害を与えると英国の「孤独委員会」は指摘しています。この委員会は、EU残留派の女性下院議員であったジョー・コックス議員が立ち上げたといいます。ジョー・コックス議員は2016年に銃撃されて死亡していますが、現在その意志を受け継いで、トレイシー・クラウチ下院議員が担当大臣に任命されています。

 日本では、現在少子・高齢化問題やそれに伴う人口減少の問題が大きくクローズアップされています。人口減少はこれまでの人口が増加することを前提とした社会システムを新しい時代に合わせたものに変革する必要性を私達に促しています。一方で高度情報化、人口減少という社会の急激な変化の中で孤立して生きづらさを感じている多くの人々の存在も浮き彫りになりつつあります。世界幸福度ランキングでも、日本は2018年は世界54位でした。若い人からお年寄りまで、多くの方々が経済的な面だけでなく急激な時代の変化の中で様々な不安を抱えて生きていることを反映しているようにも感じます。

 私自身は、ライフワークとして社会貢献活動に取り組んでまいりましたが、一人のスピリチュアリストとしてもこれまで以上に社会課題に取り組んでいくことの重要性を日々感じています。社会問題の解決手法はこれまでにも数多くありました。また多くの組織があり、それぞれの組織はそれぞれの立場で社会問題解決に関わってきたと思います。ただ、既存の組織や体制だけでは急速に世界が変化する今の時代に、その課題解決に向けた力に限界があることも確かです。

 こうした社会問題の解決の手法として今注目を集めているのはソーシャル・イノベーションという考え方です。社会問題を抱えた当事者だけでなく、その問題に関わる様々な組織の責任ある人々がその課題の奥深くに存在する本質に対する理解を共有して互いに協力しながら、連携して共に課題解決に取り組んでいく活動です。グラミン銀行を創設したバングラデシュの経済学者のムハマド・ユヌスなどもそうした活動をしている一人だと思います。

 シルバーバーチの言葉に、フランス革命アメリカの独立運動に多大な影響を与えたトマス・ペインを賞賛し「本当に宗教的な人間とは、人々を向上させるために戦い、悪を正し、障壁を打ち砕き、無知を追放し、飢えを駆逐し、スラムを根絶しなければならないと考える人のことです。人類への奉仕(サービス)のために人生を捧げることだけが、宗教的な生き方と言えるからです。」これから取り組んでいくべき課題を明確にしながら、現在行っている社会貢献活動をこうした次元にまで少しでも近づけていくことができるよう努力していく所存です。