札幌スピリチュアリスト・ブログ

スピリチュアリストとして日々感じたことや、考えたこと、書籍の紹介などを徒然なるままに記します。

スピリチュアリズムの系譜について(2)

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 先回に引き続き、グレース・クック著のホワイト・イーグルの教え「アメリカ大陸の太陽人たち」の訳者である加藤明氏のあとがきの内容から、重要だと思われる点を一部抜粋し、後半で私見を述べさせていただきます。

ーーー以下一部抜粋

スピリチュアリズムの特徴

 スピリチュアリズムを他の精神主義的思想と区別する最も大きな点は、人間の霊性を承認し、霊魂の死後存続を確信するだけにとらわれず、霊界の存在との交流の可能性を実証してみせたということです。霊媒を通して愛する死者と時空を越えて再会しているという実感は、単なる教説以上に強烈な印象を与えました。また霊媒を通して高級霊が述べたとされる霊信の宇宙や生命に関する秩序立った合理的な説明によっても、多くの人が人生上の疑念を晴らし、慰めを得ることができました。

 アラン・カルディック(1804~69)がまとめた霊界通信『霊の書』『霊媒の書』、ウィリアム・ステイントン・モーゼス(1839~92)がインペレーター霊団からの通信として発表した『霊訓』『続・霊訓』、モーリス・バーバネル(1902~81)がシルバーバーチ霊団から受けたとされる多くの霊示集『シルバーバーチの霊訓』はロングセラーを続けております。

スピリチュアリズムの誕生の歴史的意義

 19世紀から20世紀前半にかけて、世界各地で政変と戦乱が相次ぎました。スピリチュアリズム誕生の年、1848年以降の主な政変としては、フランスが2月革命(1848)などを経て共和国となったこと(1870)、ドイツはプロシアの3月革命(1848)などを経てドイツ帝国(1871)、ワイマール共和国(1919)、ヒトラーの独裁国(1934~45)などと変遷したこと、イタリアが革命運動(1848)を経てイタリア王国として統一されたこと(1861)、日本が王政復古して明治維新(1868)を迎えたこと、そして何よりもロシア帝国血の日曜日事件(1905)、ロシア歴の2月革命(1917)などを経てソビエト社会主義共和国連邦(1922)という共和主義国家に変わったことがあげられます。

 唯物主義の行くつく先は、常に戦乱でありました。打ち続く戦乱でかつてない戦死者を出して1848年以降の百年間と期を同じくしてスピリチュアリズムが誕生し、発展したことも宇宙を経綸する神の愛のなせる業だったに違いありません。科学者オリバー・ロッジなども、降霊会に出席して戦死した息子のレイモンドから通信を受けたと確信したことから、心霊現象の本格的な研究に入って行きました。

ーーここまで

 この後の部分は、シャーロック・ホームズの著者としても有名なアーサー・コナン・ドイル(1859~1930)について彼の関心が推理作家としての名声そのものよりも、むしろその名声による心霊主義者としての貢献にあったことが述べられています。コナン・ドイルは1918年以降『新しき啓示』を始めとする心霊書を立ち続けに発表しました。最晩年にはクック女史とホワイト・イーグルにも関心を寄せ、会う約束までしていたこと、面会日の直前に帰天しましたが、死後1931年1月27日から翌年の6月1日までの間に、ホワイト・イーグルとクック女史を通じて、人間の由来、地上生活の意味、死後の事情、霊界の様相などについてメッセージを伝えて来て、1933年『神の国の到来』と題して出版されたことが書かれています。

 その通信が届くまでの詳しい経緯とその内容は『コナン・ドイル 人類へのスーパーメッセージ』に収められていますが、この書は実際に拝読して感銘を受けました。コナン・ドイル以外にも、『シートン動物記』の著者アーネスト・トンプソン・シートン(1860~1946)は、スピリチュアリズムの普及に間接的に貢献した作家で『私の知る野生動物』のまえがきで、「・・・動物たちも人間と同じようにものを考える力があり、愛情を持っている。そして、人間と動物とは兄弟なのである」と書いていて、生涯を通して人間と動物が兄弟であることを訴えているといいます。また科学の世界ではウイリアム・クルックス(1832~1919)やオリバー・ロッジ(1851~1940)など世界的に有名な科学者による研究や賛同によりスピリチュアリズムは急速に普及していきました。

 同時代にこれだけ多くの世界的に高名な作家や科学者、また高級霊霊媒を通して偉大な啓示を人類にもたらした時期は、空前絶後です。1848年~1980年頃(クック女史やモーリス・バーバネルが他界した頃)までの時期は、高級霊界から地上人類救済のために集中的に働きかけがあった時期であり、私たちはその与えられた恩恵を如何に深く受け止め、人生の正しい意義を見出して、自らの生き方に反映させていくことが出来るかが問われていると感じます。

 これまで、札幌シルバーバーチの会では、スピリチュアリズム普及会の皆様のご指導や協力の下、主にシルバーバーチの霊訓を題材として下記のスピリチュアリズムの思想Ⅰとスピリチュアリズムの思想Ⅱの神の摂理についての箇所まで学ぶ機会を得ました。

 

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 現在社会は、急速な科学技術の進歩・発展によって日常生活は大変便利になり、人のクオリティ・オブ・ライフはかつてなく向上しました。しかし、人間として最も重要な霊性の向上という視点にたてば、現在の人類は、まだまだ未成熟な段階にあることは、政治経済社会の様々な事象を通してわかります。

 ただ、既に霊的真理はスピリチュアリズムの運動によって地上にもたらされました。後は、一人一人が自らの理性と霊性に基づいて、正しくその真理を理解して実践を通して成長していけるかどうかだと感じています。私自身日々の生活の中で、常にそのことを意識して無限に続く霊性進化の道を一歩一歩着実に歩んでまいりたいと思います。