札幌スピリチュアリスト・ブログ

スピリチュアリストとして日々感じたことや、考えたこと、書籍の紹介などを徒然なるままに記します。

人間の死後存続の事実と私達の人生観

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人間の死後存続について考える

 2022年がスタートして1週間が過ぎようとしています。昨年1年を振り返ってみると様々な人との出会いや貴重な体験の数々が他の何物にも代えがたい魂の宝となっていると感じます。一方で様々な分野の書物との出会いもまた作者との出会いという意味では、貴重な体験を与えてくれました。年齢を重ねて行っても、肉体という限られた制約の中で生きている私達は、その人生の歩みの中で知性と霊性を磨きながら、霊的成長という何物にも代えがたい永遠に続く宝を手に入れて、生活実践の中に取り入れて身につけていくことにより真に価値ある人生を送ることが出来るのです。

 その意味で、人生が肉体という物質次元に限定されたものであり、死後は何も残らないという人生観で生きている人と肉体の死後も私達人間の本質である霊的人生は永遠に続いていくとする人生観で生きている人では、生きる目標と日々の出会いや行いも、大きく異なるものになります。スピリチュアリズムは、霊界側の働きかけとして後者の人生観を私達に提示し、真の価値ある人生を送ってほしいという願いを実体化した霊界主導の地球人類救済計画であり、シルバーバーチの霊訓は、数ある霊訓の中でも最高度の叡智を私達にもたらしました。そしてそのスピリチュアリズムの運動を指導している高級霊の中で最高指導者がナザレのイエスであると明確に示されています。

シルバーバーチのメッセージより

 スピリチュアリズム普及会の発行した「シルバーバーチの霊訓」復刻版の7巻2章の「今なぜスピリチュアリズムか」の中から交霊会の参加者からの質問にシルバーバーチが答えている箇所がります。この中にスピリチュアリズムに関する要約について書かれた部分がありますので、以下に引用します。
「私たち霊団の仕事の一つは、地上へ霊的真理をもたらすことです。これは大変な使命です。霊界から見る地上は無知の程度がひどすぎます。その無知が生み出す悪弊は見るに耐えかねるものがあります。それが地上の悲劇にも反映しておりますが、実はそれがひいては霊界の悲劇にも反映しているのです。・・・霊的というと、これまではどこか神秘的な受けとられ方をされてきましたが、そういう曖昧なものでなしに、実在として霊の真相を説くということです。そのためには何世紀にもわたって受け継がれてきた誤解、無知、偏見、虚偽、偽瞞、迷信、・・要するに人類を暗闇の中に閉じ込めてきた勢力のすべてと闘わねばなりませんでした。私たちはそうした囚われの状態に置かれ続けている人類に霊的解放をもたらすという目的をもって一大軍団を組織しました。お伝えする真理はいたって単純なものなのですが、それにはまず証拠になるものをお見せすることから始めなければなりません。・・・人類史上はじめて宗教が実証的事実を基盤とすることになりました」
 このシルバーバーチのメッセージの中にも、これまで多くの宗教がその教義の中で、人間の死後存続について言及してきましたが、それが霊界の事実とは程遠いものであったことが述べられています。そのことが地上と霊界の悲劇に反映していることを見るに見かねて1848年のハイズビル事件を契機として、人間の死後存続について当時の一流の科学者や言論人を動員して、疑いようのない事実として実証したことが述べられています。「もはや議論や論争のワクを越えた問題です。」とシルバーバーチが述べているように事実を目の前にしても認めようとしない歪んだ心の持ち主は別として一般的な常識を持った人であれば、疑いようのない事実として人間の死後存続が事実であることを世に示したのです。

死後存続の探求と自然法則の探求は矛盾しない

 一方で、私達人間は地上に誕生して与えられた環境の中で、長い歴史をかけて自然界を支配する法則や摂理について探求して来ました。最近読んだ本の中でサイエンスドキュメンタリー作家のポール・セン氏著の「宇宙を解く唯一の科学 熱力学」という本があります。本書では産業革命の勃興した19世紀の英国の科学者サディ・カルノー以来、熱力学と呼ばれる科学理論が解き明かされていくのですが、その中核をなすエネルギー、エントロピー、温度という3つの概念とそれらを支配する法則について多くの科学者が互いに影響を与えながら宇宙の普遍法則を解き明かしていく様が描かれています。カルノー、ジュール、トムソン、ボルツマン、アインシュタイン、ネーター、シャノン、チューリング、ホーキングという名だたる科学者達の熱き情熱と互いに切磋琢磨して影響を与え合いながら宇宙を支配する法則の正体に迫っていく姿を生き生きと描いた本書は、真理の探求という側面からも大変興味深いものがあります。

 一見対立するかに見える人間の死後存続の探求と宇宙を支配する物質面からの自然法則の探求は、宇宙を貫く普遍法則という意味では決して矛盾するものではありません。特にアインシュタイン以降の一般相対性理論の実証と量子論の発展は、私達が現実と認識している日常生活を送る世界がある特殊な条件下で成り立つ事象に過ぎないことを明らかにしました。より大きな視野で眺めて見れば、生命というものが人間の肉眼で認識出来る物質だけで成り立っていると考える方が特殊な見方であり、3次元空間という限られた範囲で目に見えている事象は4次元以上のより高次な次元から見つめてみれば、特殊な事象と捉えることができます。例えば私達は本来立体的な存在である自然や人間、動物や植物を絵画やアニメーションとして2次元に抽象して表現することが可能です。もし仮に2次元に生命が存在していたと仮定したら、3次元の存在者である私達の存在に気づかずに彼らは生きていると考えることができます。同じように3次元という次元より高次な次元に生命が存在していても、3次元しか世界が存在しないと考えている人間にとっては、高次な存在は存在しないと感じても不思議はありません。

 霊的世界というのは、実は現実世界と重なり合って存在しているのですが、3次元の物質世界とはバイブレーションが異なるために存在していないように感じるのです。ただ私達は目には見えない心や意識や思考というものが存在していることは認めざるを得ません。唯物論者は、心や意識や思考も脳という物質の副産物であり、物質以外のものは存在しないと主張しますが、そもそも物質とは別次元の存在を物質という低次元の要素だけで説明しようとしても、無理があり、反って論証できない偏見となってしまうのです。物質次元の人間の知性だけで宇宙の全ての真理を理解できると考えることは傲慢のそしりを免れません。

死後存続の事実と私達の人生観

 人間の死後存続が明らかになることで、多くの問題の解決の糸口が見えてきます。因果律が明らかになり、生命が永遠に存続する中で、僅かな地上生活だけの満足や幸福だけを追求したとしても、真の幸福には至れないこと、利己的な満足だけを追求しても、霊的な成長を伴わなければ、儚い砂上の楼閣に過ぎないことになります。スピリチュアリズムには教義も、教団も、教祖も必要ありません。霊界側から与えられた永遠普遍の真理を人々が理解し、日常生活の中で生かしながら自らの地上人生を価値あるものにしていくだけで良いのです。反って余計な地上人の手垢のついた狭窄物によって肝心の真理が歪められているのです。

 新年にあたって、神の法則は完全な形で定着しているかという質問に対するシルバーバーチの次の言葉を皆様にお送り致します。この1年が皆様にとって実り多い1年であることを祈念致します。

「法則は無窮の過去からずっと存在しています。完全である以上、その枠外から起きるものは何ひとつあり得ないのです。すべての事態に備えられております。あらゆる可能性を認知しているからです。もしも新たに法則を作る必要性が生じたとしたら、神は完全でなくなります。」(シルバーバーチの霊訓7巻10章「質問に答える」より)