札幌スピリチュアリスト・ブログ

スピリチュアリストとして日々感じたことや、考えたこと、書籍の紹介などを徒然なるままに記します。

持続可能な世界の実現~地球倫理からスピリチュアリズムへ~

 

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デイヴィッド・クリスチャン著『オリジン・ストーリー』138億年全史

オリジン・ストーリーに見る地球人類のルーツ 
 先回のブログを書くことと前後してこれからの自分のミッションとも関係してきそうないくつかの書籍に出会いました。一つは先回のブログでも紹介したユバル・ノア・ハラリ氏の最新刊の『21Lessons』です。そして今回紹介するのはオーストラリアのマッコーリ大学教授(同大学ビッグヒストリー研究所所長)のデイヴィッド・クリスチャン氏の『オリジン・ストーリー 138億年全史』です。『21Lessons』に関しては一部先回のブログで述べさせていただきました。いずれの著者も現代を代表する知の巨人ですが、共通しているのは現在の科学技術によって明らかにされた宇宙史、地球史、人類史という共通認識を基盤として、これからの人類の或いは世界の方向性について様々な視点から俯瞰して書かれている点です。
 中でもスピリチュアリストとして最も影響を受けたのは今回紹介する『オリジン・ストーリー』です。これまでの私が書かせていただいたブログを読んでいただければ、おわかりと思いますが、私がスピリチュアリズムに興味を惹かれ、今では人生を生きていく上での指針となったのは、事実として死後の世界が存在し、人間の想像上の存在としてではなく、現代人の理性や知性を持ってしても多くの点で矛盾をきたすことなく納得の行く普遍の真理として明らかにされたその思想体系にありました。高級霊からの通信内容を読み進め、それを行動原理として日々の人生を歩んでいく中でそれは徐々に確信に変わって行きました。今回読ませていただいた『オリジン・ストーリー』は現在の科学技術や文化人類学、考古学などの蓄積された人類の英知を集めて明らかにされつつある宇宙誕生から今日私達が生きる現代までの宇宙史、地球史、人類史を人類全体の共通認識(一つのビッグヒストリー)としてまとめられた書物です。
 シルバーバーチの霊訓を始めとして高級霊からの霊界通信を体系的に整理して分かりやすい形でまとめられたスピリチュアリズムの思想体系は、それ自体が人類史の中で至高の価値をもったものですが、『オリジン・ストーリー』は客観的な事実として宇宙の誕生から現代までを一貫した納得の行く知見として私達に与えてくれます。人類はこれまで、自分たちのルーツについて科学的な方法論から、また一方では人文科学や宗教的なアプローチなど様々な方法論で、世界の真の姿を探求して参りました。ここ100年間で科学技術の普及によって人類は急激な人口の増加によって膨大な化石燃料を始めとして地球上に蓄積されて来たエネルギーを消費して、地球生態系に不可逆的な影響を与え、このままの勢いでの成長発展が不可能な臨界点を迎えました。1970年代にローマ・クラブが『成長の限界』というリポートを出して、其の頃から持続可能な世界の実現ということが言われて来ました。また以前のブログで紹介したバックミンスター・フラーは1963年に『宇宙船地球号の操縦マニュアル』を世に出して、宇宙から地球を見るという視点、グローバルという視点を与えてくれました。

スピリチュアリズムによる精神革命と科学的思考の接点
 2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs(Sustainable Development Goals)「持続可能な開発のための2030アジェンダにて記載された2016年から2030年までの国際目標」は国連だけでなく国や企業や個人にとっても共通の課題となっています。つまり人類は物質的な成長・発展モデルの限界を知って、今日持続可能な世界を実現するために地球レベルでの真のゆるやかな共同体モデルを模索せざるを得ない状況に来ているのです。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)などもそうした一連の動きの一つです。また資本主義という経済システムも様々な矛盾を呈し、神の見えざる手だけに頼っているだけでは事態は解決できないことに多くに人々は気づきつつあります。
 『オリジン・ストーリー』を読んでみて、改めて今人々はトータルな意味での人類(ホモサピエンス)の歴史を現代の最先端の科学が明らかにした知見を基に再認識するとともに、3次元の物質的な枠を超えて死後の世界も含めた深い精神性に基づくトータルな世界観、人生観を再構築する時期に来ているのではないかと感じました。1848年から始まったスピリチュアリズム運動は、死後長い時間を霊界で過ごして来た高級霊達が危機に陥っている人類の未来に希望の灯火(ともしび)を与えんとして地上の霊媒を通して伝えてきた最高の英知(叡智)です。地上人類は科学的思考という武器を手にして、これまで先祖から受け継がれて来た知識をDNAという形式だけでなく客観的事実として、宇宙を正しく認識しようと努力を傾けて来ました。それが現代科学の礎であり、人文科学の礎です。スピリチュアリズム運動によってもたらされた霊的真理は他界しても尚生き続ける高級霊がある意味で私達の大先輩として人類全体に贈ってくれた最大のギフトです。私達は危機の時代を生きると同時に、最大の恩恵に預かることができる時代にも生きていると言えます。是非、多くの皆様が今回紹介した『オリジン・ストーリー』を読まれるとともにスピリチュアリズム普及会のまとめられた『スピリチュアリズムの思想体系』に触れる機会を持っていただければ幸いです。 

◯オリジン・ストーリー 138年全史 (下記御覧ください)
https://www.chikumashobo.co.jp/special/origin_story/

スピリチュアリズムとは (スピリチュアリズム普及会のHPより)
http://www5a.biglobe.ne.jp/~spk/about_sp/index.htm