札幌スピリチュアリスト・ブログ

スピリチュアリストとして日々感じたことや、考えたこと、書籍の紹介などを徒然なるままに記します。

何故、今正しい霊的真理を学ぶ必要があるのか?

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急速な科学技術の発達と生活の質の向上

 西暦2021年を迎えた今日、最先端のテクノロジーや自然科学の知見は加速度的に私たちの生活環境を変えつつあります。今私たちは、普通に生活をしていてもその恩恵を受けて快適な暮らしを送ることが出来ます。特に1990年代のインターネットの登場は、その中でも人々の生活環境を劇的に変えた大きな出来事でした。私は1950年代に生を受けていますので、まさにビフォーデジタルからアフターデジタルのちょうど真ん中を生きて来ました。もう少し先の世代は、リアルの現実世界とバーチャルな仮想世界の境界がもっと曖昧となり、ある意味では2つの世界の融合化が進んでいくように思います。現在あらゆる産業にその流れは浸透しております。デジタル化からデジタル・トランスフォーメーション(DX)への流れが進み、ライフスタイルやワークスタイルにも劇的な変化が加速しています。新型コロナ感染症によるWithコロナの後に訪れるであろうアフターコロナの世界は、アフターデジタルの世界に更に突き進んでいくように感じています。
 私自身の日頃接している身近な企業の皆様からも現実世界が急激に進んできていることを感じています。今や個々人の趣味・趣向や行動をビッグデータによって予測し、先回りして欲しているものやコトが手に入ったり実現してしまうという時代になりつつあります。AIや量子コンピュータの進化によって、この流れはさらに加速され2030年代には、街中を空飛ぶクルマやドローンが飛び回り、自動運転のクルマが走り回る少し前のSFの世界が現実のものとなっていると予想されます。こうした技術は医学や食料生産の分野でも急速に進んでいて今や遺伝子治療やスマート農林水産業も当たり前になって来ています。身近な生活面だけを見たら、少しづつ快適な生活環境が実現してきたようにも思います。ただ、手放しで喜べないのは自然と触れる機会が極端に減っていくことによって、人間にとって大切なものを失っているのではないかという危惧です。そして、現代医学に限っていうと真の病気の原因がわからないまま、治療を行うことによって医原病(医療行為が病気の原因となっている)が増加して、根本的な治療となっていないという問題もあります。

増大する社会課題と資本主義の限界

 一方で、科学技術の進展とは裏腹に視野を地球全体に広げてみるとこれまで、後回しにしてきた課題が蓄積されて、臨界点に近づいて来ているように感じます。その一つが気候変動による災害の増大であり、国の内外における経済格差の拡大(貧富の差の拡大)と経済のグローバル化の弊害、覇権国同士の対立、そして社会不安の増大による精神疾患の増大など科学技術の進展だけでは、克服できない課題の表面化と新しい価値観の必要性です。特に人間とは何か、人生において最も何が最も価値あるものなのについての正しい共通認識の確立が今何より求められているのです。今日、世界の多くの国は一部の独裁国家を除いて経済システムとしては資本主義、政治体制としては民主主義の形態を取っています。独裁的と言われる共産主義国家でさえ、一部この仕組みを取り入れざるを得ないのが現実です。その資本主義の欠陥が特に21世紀に入って顕著に表れて来ていると感じます。特に欧米諸国において1990年代頃から盛んになった新自由主義や株主の利益を企業価値の第一におく株主利益を第一義とした市場経済至上主義は多くの矛盾を露呈して来ています。そうした行き過ぎた利益偏重の流れがここ10年くらいで、少しづつ変化して来ています。2015年に国連サミットで採択されたSDGsは、持続可能な社会の実現を第一義とする世界共通の目標として企業経営にも取り入れられつつあり、明確なゴールを設定してそこに向けて各企業が経営戦略を進化発展させようとする動きとして注目されています。

社会課題の解決こそ企業の存在価値という考え

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マイケル・ポーター教授

 こうした動きが始まる前から、ネスレスターバックス、アップル、ノボ・ノルデイックスなど世界的に著名や企業や国内でも花王YKK竹中工務店などは企業理念として、長期的な視点で社会課題の解決と企業価値の創造を両立してきたと言えます。マイケル・ポーターハーバードビジネスレビューで提唱したCSV(Creating Shared Value)=共創価値の創造=は、従来経済効果と社会的価値の創出は相いれないものだとされてきたのですが、両者の両立、ひいてはお互いがお互いを高め合う状況を目指す価値観として注目されています。
 実は、日本資本主義の父と言われた渋沢栄一が提唱した合本主義もこの考えに近く著書の『論語と算盤』では、まさに日本古来の武士道の道徳を論語として表現しています。つまり利益よりも前に道徳的な価値観が先に来るという考え方です。持続可能な社会を実現するためには、しっかりとした適正な利益を出し続けることも必要条件ではありますが、それは企業の目的(Purpose)ではなく企業の目的は社会課題の解決であったり、地球環境の維持であったり、人々の幸福の実現に寄与することであるということです。資本主義というと資本が主体と捉えられてしまい誤解を受けますが、合本主義や日本流にいえば経済学者の名和高司氏の提唱する志本主義と言い換えると、これからの経営システムが見えて来るのかもしれません。ただ、それでも物質的な価値観を主体として考えている限りは、いずれ限界に突き当たります。

スピリチュアリズムの登場と新しい価値観の創出

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アルバート・アインシュタイン

 私は19世紀半ばに登場した心霊主義スピリチュアリズム)がこれからの世界を考える上で決定的な役割を果たすと考えています。今日科学技術の発展が何故、私達の生活の向上を促すことに貢献してこれたのか、それは私たちを取り巻く自然環境や私達自身の物資的な側面を科学的な視点でより正確に理解し、それを技術開発によって現実課題の解決に役立てるように工夫してそれを実現させてきたからです。しかし、それは物質次元のことであって、世界を構成する要素の一部に過ぎません。自然科学の分野でも、相対性理論量子論の登場によって私たちの肉体が存在している3次元世界(物質世界)は、存在の一部を占めているに過ぎないことが分かって来ました。アインシュタインは、ニュートン運動方程式は地球上の特殊な場でのみ成り立つものであり、宇宙という次元では時間は相対的なものであり、観測する人の状態によっては変化するものであることを発見しました。さらに量子論では量子が存在する世界では、私たちが物質と定義している存在そのものが確率論的に存在しているに過ぎず、人間が認識できる範囲はごく限られた世界の一部であることを明らかにしました。

スピリチュアリズムの人生観

 19世紀半ばに登場したスピリチュアリズムは、死後の世界にも人は存在し続け、霊媒を媒介して地上の人間には想像できないような無限とも思える叡智に基づく霊的真理を伝えて来ました。これまでの宗教組織のように教祖や教義、教団という形式は全くなく、ただただ無限とも思える最高の叡智によるメッセージを私達人類に送ってきたのです。それは、霊的無知のために、誤った価値観によって不幸に陥ってしまった地上人類を救済しようとする高級霊の働きであるとするものです。私たちが現実世界として認識している世界は、福岡伸一氏の『動的平衡』論によれば地球上の生命の流れを形成する流れの一部に過ぎす、その誕生と死も状態の変化に過ぎないということになります。つまり、ここからはスピリチュアリズムに対する私の理解ですが、生命の本質である霊は異なる次元を行き来していて、ヒトの誕生は肉体という3次元の物質的要素に霊という別次元の意識(スピリットともいいます)が融合し、肉体という乗り物で人生という流れの中で様々な体験を行い、肉体の寿命が終了した後は、4次元以上のもとの世界(霊的な世界)に戻っていくということです。但し、地上人生を送っている間は、霊と肉は次元は異なるものの、同じ空間上に存在し人は顕幽両世界に同時に存在しているとしています。しかも私という存在は、霊を備えた肉体ではなく、肉体を備えた霊であるとします。つまり、目に見える肉体が主ではなく、目に見えない霊が主体であるとしています。そして、こうしたメカニズムを創造し運行している大本(おおもと)として宇宙の大霊(神と呼んでも良い)という存在があるということです。
 従来の宗教とスピリチュアリズムの根本的な違いは、スピリチュアリズムではこうした法則(摂理)を創造し、運行している存在(大霊)は、私たちに地上生活を自由意志に基づいて霊的成長という宝を得るために生きるように設計されたとしているところです。その根本を多くの人々が理解し、自らの人生に積極的に取り入れることによって、自らの人生の課題と共に、今世界が抱えている根本的な課題を解決し、真の幸福な理想社会を実現していこうとしているのが、スピリチュアリズム運動だと私は理解しています。まだまだ人類全体から見たら少数の価値観だと思います。しかし、宇宙を貫く永遠の摂理、すべての霊界人が共通して持っている不変の価値観であるスピリチュアリズムの本質が共通認識として広まることによって私たちの世界は確実に良くなっていくと確信しています。