札幌スピリチュアリスト・ブログ

スピリチュアリストとして日々感じたことや、考えたこと、書籍の紹介などを徒然なるままに記します。

“人新世“の時代を生きる人類の責務と求められる真の霊性革命

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“人新世”を生きる現代人

 21世紀に入って20年が経過し、私達は時代の激変を身近で感じながら生きています。現代人は科学技術の進歩による恩恵は、これまでのどの時代にも増して受けていると言えます。一方で、46億年の地球史の地質時代の中で現在は1万1700年前に始まった新生代第四紀完新世の時代というのがこれまでの定説でしたが、人間の活動が地球に地質学的なレベルの影響を与えていることを示す“人新世“ 「Anthropocene」(アントロポセン)の時代に入ったという学説が登場し、1950年前後からこの人新世が始まっているという説が有力視されています。20世紀後半における人間活動の爆発的増大を「グレート・アクセラレーション」(Great Acceleration)といいますが、第二次世界大戦後に急速に進んだ人口の増加、グローバリゼーション、工業における大量生産、農業の大規模化、大規模ダムの建設、都市の巨大化、テクノロジーの進歩による社会経済における大変化は二酸化炭素やメタンガスの大気中濃度、成層圏のオゾン濃度、地球の表面温度や海洋の酸性化、海の資源や熱帯林の減少といったかたちで地球環境に甚大な影響を及ぼして来ました。都市化も急激に進み、2050年までには世界人口の68%が都市部に暮らすようになるとも予測されています。

 このような時代の急激な変化は人々の意識にも大きな変化を与えつつあります。特に1990年代以降特に顕著になりつつある気候変動の影響は既に多くの国々で顕在化し、国連の持続可能な開発目標であるSDGsの13番目の「気候変動に具体的な対策を」になるほど、人類全体にとって解決しなくてはならない大きな問題となっています。地質時代を“人新世“と呼ばざるを得ない程の地球環境への影響を人類は与えるようになったのです。こうした危機の中にあって、本来なら全人類が足並みを揃えて立ち向かっていかなくてはならない課題に対して現状は国や地域によって大きなばらつきがあります。人々は差し迫っているこの危機に対して、災害が起こる度に対症療法を繰り返すだけで抜本的な解決を進めていくためのコンセンサスを得ることができないのが現状です。

私達が乗り越えるべき真の課題と霊性革命

 新型コロナウィルスによる世界規模のパンデミックは、こうした状況の中で発生しました。これまでの人類の歴史を振り返っても、時代の大きな変化が訪れる前後には世界規模の戦争や疫病が人々を苦しめて参りました。ちょうど100年ほど前にスペイン風邪が世界に広がり、第一次世界大戦世界大恐慌、第2次世界大戦が勃発しました。第2次世界大戦後、国際連合が出来て戦後秩序が築かれましたが、それは不十分なものでした。スピリチュアリズムの歴史を見ても、1920年前後は霊媒であるモーリス・バーバネルを通して人類最高の叡智である「シルバーバーチの霊訓」が人類に与えられ始めた時期でもありました。それから100年を経て人類は今、地球に存在する全ての生命に対する責務を果たさなくてはならない時代を迎えて、物質的・経済的な手段だけでは解決できない大きな危機に直面しています。それは個人から社会、国家、世界に至るまでの利己性を克服して、真の利他愛に基づく精神革命、霊性革命を起こすべき時期が到来したということです。先回のブログで中国共産党の目指す世界共産革命の愚かさについて書かせていただきました。その誤った思想と中華思想に基づく誤った価値観を防ぐには、自由主義、民主主義を国是とする国々は一致協力して戦争を未然に防ぐ安全保障の努力を怠ってはいけません。ただ、こうした共産主義に対して武力で戦ったとしても、その先には世界的破局が待ち構えているだけです。

 では私達が今克服しなくてはならない課題とはいかなる課題なのでしょうか。それは悠久なる歴史を通して、様々な聖賢達がその霊の輝きによって少しづつその霧を晴らそうとしても中々実現出来なかった“霊的真理”の光を多くの人々が心の中に取り入れて、行動の変容にまで繋げていくことに尽きるのではないでしょうか。

シルバーバーチは以下のように述べています。

「私たちが地上の人々にもたらすことができる最高の霊的知識は、人生が“死”をもって終了するのではないこと、したがって苦しい人生を送った人も失敗の人生を送った人も、あるいは屈辱の人生を送った人も、みんなもう一度やり直すことができるということ、言いかえれば、悔(くや)し涙を拭(ぬぐ)うチャンスが必ず与えられるということです。」『地上人類への最高の福音』P154

「私はいつも、昨日や今日の出来事によってすぐに揺らぐことのない永遠不変の原理を説いております。永遠の実在ー不変の摂理の働きに基礎を持つ実在の一部なのです。この知識を活用することによって、決断に際して不安も恐れもなく、自分がたずさえている真理はかならずや勝利をおさめるのだという確信をもつことができます。」
シルバーバーチの霊訓(7巻)115P

 人生が“死”を持って終了すると説く唯物論は根本的に間違っているのであり、今は思想統制と武力によって権力をほしいままにしている中国共産党の幹部も、いずれ訪れる肉体の“死”から逃れることは出来ず、誤った思想や価値観を多くの人々に強制して弾圧して来たカルマは自ら必ず精算しなくてはならないこと、そしてどんな人間も生命も絶対的な神の摂理から離れて存在し得ないことを知った時に、初めて再出発できるのだと思います。ただ、それは地上に生活する私達全員に当てはまることでもあります。行き過ぎた物質中心の資本主義経済にも陰りが見えて来ています。その意味でどのような政治体制、経済体制に中にあっても抱えている課題は同じであり、人類の真の救いは、19世紀の後半からナザレのイエスを中心として霊界の高級霊の総意として開始された地上人類救済計画であるスピリチュアリズム運動によってもたらされたシルバーバーチの霊訓を中心とした霊的真理を学び、身につけ、日々利他愛を実践することによってしか訪れないことを改めて実感する日々です。