札幌スピリチュアリスト・ブログ

スピリチュアリストとして日々感じたことや、考えたこと、書籍の紹介などを徒然なるままに記します。

「生物と無生物のあいだ」の読後感とスピリチュアリズムの生命観(2)

 

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 先回のブログでは、「生物と無生物のあいだ」の読後感も含めた生命観について述べました。今回は、その後に読んだ「思考が物質に変わる時」(ドーソン・チャーチ著)で述べられている「科学が解明したフィールド共鳴の思考の力」についてレビューも含めてスピリチュアリズムの生命観について再考します。

 以前ナポレオン・ヒル博士の「思考は現実化する」やリチャード・ポー;ウィン・ウェンガー共著の「アインシュタイン・ファクター」を読んだ時にも物事の捉え方や思考方法に影響を受けたのですが、「思考が物質に変わる時」では、歴史的な事例も含めて思考の力が生み出すエネルギー・フィールドの共鳴がどのようなメカニズムで現実世界に影響を与えていくかが科学的な視点で書かれています。「思考は現実化する」は科学的な検証というよりも様々な成功した人々の人生研究に基づいて、その共通項を集めて各人がそれを取り入れていくことによって、願望を具体化していくプロセスを書いた実践書でした。「アインシュタイン・ファクター」では、「天才の兆候の一つとして、彼らは幼いときから日記や詩、友人や家族に宛てた手紙などで自分の考えや気持ちを雄弁に語る傾向があるということをあげています。さらに、これは新進の作家だけでなく、政治家や科学者など、あらゆるジャンルの”天才”に見られるものであることもわかったのです。」と書かれています。つまり天才とは、常に自分の心に生じたイメージやアイデアを温めて、それを現実世界で形にする優れた才能のある人を指すということが書かれているのです。

 私達は幼い頃から、アウトプットすることよりも、教育や学習ということを通じてその時代、時代の常識を身につけること、つまりその社会の常識と考えられているものをインプットするということには慣れていますが、自分の心の中(思考)を表に現すということに慣れていません。「思考が物質に変わる時」では第4章「エネルギーがDNA、細胞を創る」の中で、肉体の細胞は恐るべき速度で入れ替わりながら組織再生が進むようになっていると述べられ、1秒ごとに実に81万個以上に及ぶ細胞が入れ替わるという記述があります。著者のドーソン・チャーチは米国ホリステック医療協会創立者ですが、ポジティブな思考によって細胞が生き残れるエネルギー環境ができるなど細胞が再生する際に思考が分子という物質に影響を与えていると述べています。そして、私達が自分の意識を無限に高め、光輝くエネルギーを脳内に生み出すことができるようになれば、細胞はそのエネルギーを基に再生するとも述べています。

 シルバーバーチは―「霊(生命素)なくして肉体の存在はありません。肉体が存在できるのは、それ以前に霊(生命素)が存在するからです。霊(生命素)が引っ込めば肉体は崩壊し、分解し、そして死滅します」(『シルバーバーチの霊訓 霊的新時代の到来』(スピリチュアリズム普会)  p.194)と述べています。

 先回のブログで、今日の遺伝子という生命を司る最も根本的な存在について研究が進められていることは述べました。今回は、意識(思考)が生命体の細胞の再生に大きな影響を与えていることも紹介しました。人類は一歩、一歩生命の根源に近づいていることは間違いありません。ただ、それを現実社会に当てはめてみようとすると、これまでの結果の世界の分析だけでは、どうしても解明することの出来ない壁にぶつかることも事実です。

 現代科学では、まだ霊の存在証明は出来ません。ただ、地上の生命体、人間という存在についての理解が進んで行くほどに、物質化された見えている世界や存在の根源に目に見えない存在やその意志が働いていることは否定できない事実です。人類は今、霊性進化の過程においてようやくベールの彼方に隠されてきた存在が現実世界を形作っていること、そして自分の発する意識や思考が現実世界に大きな影響を与えることに気が付きつつあります。全ての人類が願われる意識レベルに到達するには、まだ多くの時間を要すると思います。ただ、その段階に一歩一歩近づいていることは間違いありません。そのことを信じて日々歩みを進めて行きたいと思います。