札幌スピリチュアリスト・ブログ

スピリチュアリストとして日々感じたことや、考えたこと、書籍の紹介などを徒然なるままに記します。

過去・現在・未来を貫く1本の線とスピリチュアリズムの示す世界観

バタフライエフェクト)

意味のある偶然(シンクロ二シティ)とは

 最近、今という瞬間(とき)について、様々な角度から考察する機会がありました。年齢を重ね、多くの経験を積み、様々な思考遍歴を経て今の自分というものが形成されてきたわけですが、宇宙の歴史から見たらほんの一瞬の瞬きするような自分史を振り返ってみるだけでも、様々な出来事や体験、人との出会い、そして書物やインターネットの情報など様々な蓄積が今の自分の形作って来ました。例えばこのブログを始めるきっかけは10年程前のスピリチュアリズムとの出会いでしたが、自分の人生に大きな影響を与えたものは、過去のその時には、想像できない些細な出会いや出来事がその後の人生に決定的な影響を及ぼすということがあるものです。それは、個人においてもそうなのですから、人類史を俯瞰してみても、そのような瞬間というのは、ところどころにあるように思えます。

 振り返ってみると私は小学校高学年から中学生時代に本を読むことの魅力に取り付かれ様々な分野に亘って読書を重ねてきたように思います。友達と一緒に遊ぶということも嫌いなほうではありませんでしたが、過去の先人や同時代の大先輩の知識人が著した書物から得られる感動は、同年代の友人からは得難い宝ものでした。サイエンスフィクション(SF)なども良く読んでいましたが、その中には今の職業に就くきっかけを与えてくれたような小説もあります。もちろん読んでいる時は、ただ面白くて読んでいるのですが、後で振り返ってみると自分の人生の選択においてその読書体験が何らかの影響を及ぼしていると思えたことがありました。もちろんその小説の主人公の置かれた状況と現実の自分の置かれた環境は全く異なるのですが、その時の人生の選択に何らかの影響を与えただろうと後になって思ったのです。人との出会い、書物との出会いを全て偶然として捉えるのと、意味のある偶然(シンクロ二シティ)として捉えるのとでは大きな違いが出来ると今は思います。

 今の自分が何を最も大きな価値あるものとして人生を歩んでいるのか、それは過去の経験や蓄積に基づいて人それぞれの価値観で生きていると思います。スピリチュアリズムを学んでいくと、肉体の制約を受けた地上人の想像を超えたところで様々な力が働いて摂理(法則)に基づいて一人一人の人生が形づくられていくメカニズムがあると示されます。もちろん何かの選択には本人の自由意志が強く働いているのですが、それと同時に見えない糸のようにその人を導こうとする意志も働いて偶然では説明できないような出来事や出会いが生じているということです。つまり現実に生じる出来事や出会いはたった一つの現実ですが、その現実が生じるには様々な要素が相互に影響を及ぼしているということです。

科学が解明してきた物質の究極と宇宙論

 話を物質世界の話に戻しましょう。最近、最先端の物理学者の宇宙論についていくつか読む機会がありました。(ハーバード大学物理学教授のリサ・ランドール女史の「宇宙の扉をノックする」、カルフォルニア大学バークレー校教授の野村泰紀氏の「なぜ宇宙は存在するのか」)宇宙論については以前から興味があり、難しい理論的なことはわかりませんが、概念的には把握することが出来ました。2人とも理論物理学者ですが、天文学者とは異なり宇宙論を研究されている方々は宇宙の成り立ちや構造を解明しようとされるので、物質の構成についても造詣が深い物理学者が多いのです。そこで共通する概念としてスケールをどのように考えるかという問題意識があります。アインシュタインによって20世紀初頭に一般相対性理論が発表されました。それまで世界の科学者の常識とされていたニュートン力学がある一定の条件で成り立つ理論であり、光の速度や広大な宇宙というスケールにおいては説明できず、ニュートン力学をも包含して包括的に説明できる理論として一般相対性理論が説かれたのです。その後、ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げやその後の観測技術の発達によって宇宙が膨張していることが証明され宇宙についての私たちの認識は改まりました。

 つまり、人類は科学的な思考とテクノロジーの発達によって物質的な次元では真実の世界の姿を正しい姿に近い姿として徐々に認識することができるようになって来たということです。物質を構成する要素についても、素粒子物理学の発達によって物質の最小単位として6種類のクオーク3種類のレプトン(電子、ミュー粒子、タウ粒子、3種類のニュートリノの総称)から成り立っていることもわかってきました。そして、面白いことに私達が自分自身として認識している人間というサイズは、物質の最小単位の素粒子のサイズと広大な宇宙空間表すサイズの中間くらいに位置しているということです。微小な単位の物質の振る舞いは量子論によってしか説明できませんし、宇宙サイズの物質の振る舞いは一般相対性理論によってしか説明できません。私達がモノとして認識できる物体間にはニュートン万有引力が働いているわけですが、人類は身近なスケールから極大、極小のスケールまで働く物理法則を観測によって確かめながら解明してきたということが言えます。

スピリチュアリズムが明らかにした新たな世界観

 世界をどのようなスケールで認識するかによって、私たちはものの見方だけでなく人生観や世界観を変えて来ました。19世紀半ばから登場したスピリチュアリズム運動は、それまでオカルトや超常現象という非科学的な現象として捉えられてきた心霊現象を当時の第一級の科学者や知識人の前に現出させて、肉体の死後にも人の霊的意識は生き続けること、肉体の死は人生の終わりではなく通過点に過ぎないことを明らかにしました。身近な人との霊界通信だけではなく、最高の叡智を人類にもたらす高級霊の通信も特に1920年頃から60年に亘って送られた「シルバーバーチの霊訓」を頂点として届けて来たのです。そして、これまで地上のどの宗教によっても明らかにされなかった膨大な霊的真理がもたされました。その霊界通信によってもたらされた霊的真理は物質世界を支配する法則が、全ての存在に適用されるようにあらゆる存在物に適用される目に見えない世界を支配する法則であり、これまで偶然と思ってきたことの背後に明確な意思をもって霊的な力が存在していることを明らかにしました。

 人類は、これまで誤った世界認識によって、死の恐怖に怯え、人生の真の意味を知らないまま、多くの貴重な時間を無駄にして来ました。せっかく科学技術の発展によって豊かな生活環境を手に入れることが出来ても、こうした正しい世界観の欠如(霊的無知)によって、利己的な動機で生きたり、短絡的な物質的な次元の欲望や目先の利益に振り回されて、人として最も意識を向けるべき霊的成長をおろそかにして来ました。そして、神を共通の親とする霊的兄弟姉妹(霊的同胞)という本来の立場を忘却して、互いに傷つけあい、奪い合って悲惨な状況を作り出してしまいました。

 今この時代に私たちの前に霊的無知に陥った人類救済の道を2000年間ひたすら歩まれてきた地球人類全体の最高の霊格をもったイエスが地上人類にそのメッセージを伝えることできる霊的新時代を迎えました。まだこの事実を知っている人は地上人ではごく限られた方々のみです。2000年前、イエスが地上に誕生して、そのメッセージを与えたのは僅か3年程でした。道半ばにして十字架刑に処せられましたが、その時もたらした真理のかけらは、2000年後の今キリスト教という世界最大の宗教組織にまで発展しました。ただその教義は後世の人間の作った人工的な本来の教えからかけ離れたものであったため、170年前にスピリチュアリズム運動をもたらし、本来2000年前に伝えたかった霊的真理としての「シルバーバーチの霊訓」を地上に降ろされたのです。物質世界が物理的法則によって運行されているように霊的世界は神の作られた摂理(法則)によって運行されており、その自然の摂理(法則)に従って生きることこそ、人として幸福な人生を生き、今日の世界を正しい方向に向かわせる唯一の道です。是非、多くの皆様が霊的真理に触れて最高の人生を歩まれること願ってやみません。

 

バタフライエフェクト(効果)とは

力学系の状態にわずかな変化を与えるとそのわずかな変化が無かった場合とはその後の系の状態が大きく異なってしまう現象。スピリチュアリズムの伝搬は今は小さな蝶のはばたきのような小さな動きだが、これからの人類に重大な影響を及ぼす変化となっていく。