札幌スピリチュアリスト・ブログ

スピリチュアリストとして日々感じたことや、考えたこと、書籍の紹介などを徒然なるままに記します。

「文明は〈見えない世界〉がつくる」から見える文明の変遷とスピリチュアリズム(3)

 

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 先回まで、松井孝典氏の著書「文明は〈見えない世界〉がつくる」の中から、現代人が到達しつつある世界観(相対性理論量子論等)について学んで来ました。そこでわかってきたことは、宇宙を支配している物理法則が少しでも違うものだったら現在の人間も地球も宇宙も存在しなかった可能性が高いという事実でした。

 現代科学は、これまで様々な宗教が主張してきた原因存在の「神」の存在を否定して、現実の事象を観察しそこから得られる知見を基礎にして発展してきました。理論モデルを立てて、それを実験や観察で実証することで確かだと思えることを追求してきたのです。ただ、そこで見えてきたものは追求すればするほど何も原因がないところから全て偶然に発生したり、存在することはあり得ないという結論でした。

 偶然でないとしたら「明確な目的をもった存在による知的働きかけ」が現在の宇宙や地球、そして人間と言う存在を成り立たせているということを示しています。ここでスピリチュアリズム普及会のHPの神についての部分に以下の説明があります。

(4)神認識に関するさまざまな見解と問題点/1.神について

(4)神認識に関するさまざまな見解と問題点より

「無形のエネルギーの大海から粒子が発生し、ミクロの次元を上昇するにともない一定の物体を形成していくプロセスには、「明確な目的性に基づく知的働きかけ」があるはずであるとの考えが生まれました。科学者の中には、不可分なエネルギーのパターン(大海)が宇宙全体でダイナミックな織物をなしている、との認識をする者が現れるようになりました。その織物を形成する方向性を決定しているのが、全知全能の「神」であることは言うまでもありません。」

 松井氏の著書は現在科学でわかっていることをわかりやすく整理し、現在我々が知的に理性的に理解できる世界の姿をできる範囲で忠実に表現してくれました。更にマクロからミクロに至る全てを説明できるかもしれない超弦(ひも)理論の登場は、上記の普及会のHPで書かれているように神(原因者)の存在を示唆するものと考えることができます。

 人類は、これまでの歴史を通して知性(理性)を通して目に見えるものの背後にある〈見えない法則〉を探求して来ました。そして今日我々を取り囲む世界が如何なる世界であるかをより深く理解するに至りました。量子論によれば観測者である人間の意志や観測するという行為自体が物質の究極的な単位である電子や素粒子の動きに影響を与えることまでわかってきました。そして我々が物質だと感じているものは実はその究極的な姿が実に不安定な存在(どこに存在しているかわからない)であることを突き止めました。

 ただ結論を言えば、理論的にいくら説明しようとしても、同じ現象を見ても人によって捉え方が違うように神の存在や霊的世界の存在を実証することは現在の人間には不可能です。ただこうした思考実験を通して、目に見えるものが全てであり、肉体を伴った人生が終われば全てが終わるという唯物的な価値観や、全てが偶然に発生して偶然に進化してきただけだという進化論や無神論の主張してきた考え方もその科学的な根拠を失いつつあるということです。最終的には何を信じるかということになるのですが、心の中の真実の声に従って生きるという生き方こそ、我々が目指すべき生き方なのではないでしょうか。