札幌スピリチュアリスト・ブログ

スピリチュアリストとして日々感じたことや、考えたこと、書籍の紹介などを徒然なるままに記します。

現実を正しく見つめる世界観の確立を

Withコロナ時代を生きる

 先日からGW(ゴールデン・ウィーク)に入り、久しぶりに特に制限のない長期休暇ということで、家族ずれで国内・海外旅行や帰省される方も多くおられると思います。コロナ禍で失われた日常を取り戻し、普段体験できないことを是非体験する機会として貴重なこの期間をお過ごしください。この間バーチャルな技術革新によって対面なしでも、人々が繋がることが出来るようになり在宅ワークやワーケーションなど場所に捉われない働き方も急激に進みました。一方で、リアルな人と人との接触の機会が減りましたが、人と人との直に会うことの有難さを改めて感じる期間でもありました。

 この度のコロナ禍で観光産業や飲食業、交通業界など人の移動や集まりが制限される中で深刻な影響を受けた分野も多くありました。お隣の中国では、習近平政権の極端なゼロ・コロナ政策で多くの人々が返って悲惨な状況に追い込まれているという報道もあります。この数年間で人類はコロナとの付き合い方を学んで来ました。そして移動の制限やロックダウンだけでは感染症との闘いに勝利することはできないことを学びました。一方で人々が日常生活をできるだけ当たり前に送りながら、常にオープンな情報を共有して強制的な対策に頼らずとも感染リスクを抑えて、集団免疫を作ってコロナと共生していくことが求められていると感じます。そのためには、あらゆる情報をできるだけ開示して、人々が自らの判断でリスクを回避できるようにすることが政府や行政機関の役割ではないかと思います。

現実を多角的に理解し、正しい選択をする

 一方世界に目を向けるとロシアによるウクライナ侵攻から2ヶ月が経過し、時々刻々と状況が変化する中で、先回のブログでも書かせていただいたように1945年以来の戦後国際秩序、更に1991年の東西冷戦終結後の国際秩序に大きな変化が押し寄せていることを多くの方々が認識し始めています。そして世界は共産主義も含むグローバリズム反グローバリズム地政学的には中露対米欧日という対立構図が鮮明になって来ました。前者のグローバリズム反グローバリズムの構図では同じ国の中でも対立構図が次第に表面化し、2020年の米国大統領選挙はその象徴的な出来事として表面化しました。不正選挙までして反グローバリズムのトランプを落選させて登場したバイデン政権は正に第3次オバマ政権といえるもので、ネオコン新保守主義)と呼ばれる一部の勢力が政権の中枢部を占めており、この度のウクライナ危機にも暗い影を落としています。ロシアによる軍事侵攻は善良な多くのウクライナ国民の命を奪ったという意味では決して許されるものではありませんが、その背後で戦争の脅威をあおり世界を混乱に陥れるディープステイトとも呼ばれる彼らの動きも私たちは注視して行かなければなりません。

真の独立国としての日本の在り方

 こうした国際秩序の激変に対して日本はどのように対処していくべきでしょうか?第2次世界大戦後に米国占領下で作成された今日の日本国憲法は、1946年の11月3日に公布され、国民主権基本的人権の尊重、平和主義を基本としたもので、今日の日本国民の行動の指針となっています。この中で〈第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。〉という条文は、当時の無条件降伏という状況を鑑みれば、致し方ない内容であったかもしれませんが、今日の日本を取り巻く状況の変化を見れば現状に即してないと考えざるを得ません。第2次世界大戦後、日本は日米安全保障条約と世界最強の米軍の駐留という条件下で、自国の安全保障に対してはあまり注力しなくても、他国から攻められることはありませんでした。米国がかつてのような世界の警察官という立場を離れ、集団安全保障という枠組みはあるものの、力による現状変更に対してこれまでのような甘えが許されない状況下では、自らの国の安全保障は自らの意思と力で守るという世界では当たり前の現状を日本も当たり前に議論することが急務になっています。

 特に米国のプレゼンスの低下と相対的に特にアジア・太平洋における中国の脅威は日増しに高まっています。この度のウクライナ戦争で、中露が接近すれば北朝鮮も含めて、日本の安全保障上の脅威はこれまで以上に高まっていると言えます。こうした現状を正しく理解し、自国の平和と安全は自国民で守るという主権国家としては当たり前の価値観を早く確立することがまず肝要です。そしてグローバリズムという名を借りた国際共産主義の脅威から自国を守り、真の利他愛に基づく利他主義を政治・経済・文化などあらゆる面で現実に即した形で展開していくことが求められていると思います。平和憲法の精神を真に生かすためには、国際政治のリアリズムを正しく理解した上での国家の戦略が必要です。今こそ日本人は、他国の思惑によって左右されない真の独立国として、自らの芯を持った上で他国との共生を掲げて歩んでゆくべきなのだと思います。

霊的真理に基づく正しい世界観の確立を

  東西冷戦の終結後、国境を越えた経済交流は、GAFAMなどビックテックという超巨大なIT企業を生み出し、新自由主義の潮流は格差を是正するどころか、格差の増大を加速させ一部の人々への富の集中化を招きました。一方でロシアや中国のような国では、共産党や一部の独裁者による権力の集中化が進み、言論統制や情報統制が行われています。自由主義世界では富の集中化が、一方で共産主義独裁国家では権力の集中化が行われているように感じます。そして、このような富や権力を求める人間、その集合体である国家の根本的な問題点は、目に見えるモノ(国家であれば領土)に絶対的な価値観を置く物質中心の価値観であり、人間を物質の塊としか見ない偏った人生観、人間観にその原因を求めることができます。

 スピリチュアリズムの示す人間観は、人間の本質を目に見えない霊性にその中心を置き、目に見える肉体はその本質ではないとします。そして私達が現実だと思っている世界は、人の人生の一部に過ぎず、肉体が滅んだ後も本質である霊は永遠に存在し続けるという価値観です。私達が現実と思っている世界が実は真実の世界の一部を形成しているに過ぎず、死んだら何も残らないと思っている世界こそが本質の世界であるとしたらどうでしょう。そして、そこでの永遠に続く世界に至るための訓練の場が地上人生であるというスピリチュアリズムの示す人生観、人間観こそが真実の世界の実相を顕す価値観であるとしたら、人々の生き方はどのようになるでしょう。それでも人々は目に見える世界の富や権力にしがみつこうとするでしょうか。戦争によって土地を奪い、人々を強制的に従わせたとしても、一体どんな意味があるというのでしょうか。

 人類は今、重大な岐路に立たされています。目に見える物質世界を価値の中心に置いて生きるのか、目にはみえなくても存在する内面の世界、永遠に存在する霊的世界に価値の中心を置いて生きるのかを自ら選択していかなくてはなりません。外界からの刺激によってではなく、深く内省することで本心の声に耳を傾け自ら判断する力をしっかりと身につけていかなくてはなりません。私達一人一人に備わった善を志向する心、他者のために自己犠牲をもいとわない崇高な高い霊性を求める本心の願いに自らを委ねることが出来たら、そこにこそ永遠に朽ちることのない深い満足感と安寧の境地が待っているのではないでしょうか。死の恐怖を乗り越え、人類を破滅の危機から救う道は、時間はかかりますが、一人一人が内面の探究を通して霊的真理に至る道を歩みだす以外にはないと確信しています。一人でも多くの魂が霊的真理の素晴らしさに触れて人生の真の意義に目覚めて価値ある生き方を歩み出すことでできるよう願わざるを得ません。

 

崩壊する既存の国際秩序と霊的新時代の息吹き

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ロシアによるウクライナ侵攻の背景にあるもの

 2月24日にロシアによるウクライナ侵攻が開始されてから1ヶ月以上が経過しました。当初は両国の軍事力の違いから首都キエフが早期に陥落して、ウクライナの全面降伏というプーチン大統領の描いたシナリオ通りになるのではという見方が多かったのですが、ウクライナ側の抵抗によって膠着状態になり、現時点では事態の予測は難しい状況となっています。非難されるべきは国際法を破って力による現状変更を強行したロシアのプーチン政権であり、ロシアに対する各国の経済制裁は、止むを得ない措置といえるでしょう。ただ、今日の世界を覆う閉塞感や息苦しさはプーチンを悪として断罪するだけでは解決できません。国際秩序の崩壊をここまで推し進めたのは自由と民主主義のシンボルとしての米国の崩壊が引き金となっていると考えざるを得ません。
 私は、今日の世界の分断がより鮮明になったのは、2020年11月に行われた米国における大統領選挙の結果が深い影を落としていると感じています。圧倒的に選挙で勝利したはずのトランプがあまりにもひどい選挙不正によって敗北し、その後のバイデン政権の誕生という出来事はアメリカが民主主義の旗を降ろした瞬間でした。巨大ビックテック企業や金融資本や大手マスコミがこぞって反トランプで結束し、ポリテカルコレクトネスを標榜する民主党左派やグローバリスト達によって民意が葬りさられ、選挙結果まで歪めてしまいました。そしてアメリカにはジョージ・オーウェル1984年』という小説が示す監視管理社会が出現しつつあります。 
 バイデン氏は大統領に就任するや否やメキシコ国境の入国緩和措置を行い、その後2021年だけで200万人の不法移民が流入し、アメリカは麻薬や人身売買が激増する地獄と化しています。これは民主党が大量の不法移民に選挙権を与えることによって、2度と共和党に政権を渡さないための恐るべき戦略によって行っている行為です。また今日の極端な原油価格の高騰も、バイデン政権になってからトランプ政権時代のエネルギー政策を全てひっくり返して、キーストンパイプラインの停止を始めとして極端な再生エネルギーシフトへの転換したことで米国がエネルギー輸出国から輸入国に転落したことが大きく影響しています。
 そして極めつけはアフガニスタンからの拙速で戦略なき惨めな撤退でした。バイデン大統領は同盟国にも事前に相談もせずに、9.11を前に米国同時多発テロ20周年記念式典において高らかに終戦宣言を行いたいという実に利己的な自らの功名心のために民間人がまだ脱出しきれていないアフガンニスタンから8月末までに米軍が撤退し、世界中から非難を浴びました。しかも周りの側近からの撤退の時期が早すぎるという忠告を無視してのことだったようです。こうした弱いアメリカの姿を注視していたのは中国であり、ロシアであったわけです。今回のウクライナ侵攻を行ったプーチン率いるロシアは世界中から責められて当然ですが、その原因を作ったのが崩壊するアメリカであり、バイデン政権であったと言っても過言ではありません。

グローバリズムと国際共産主義

 構造的に一部の人間に歯止めなく富が集中してしまう今日の資本主義社会の矛盾、そして国境を越えた富の集中をもたらすグローバリズムは、国際共産主義と実は親和性が高いのです。それは一部独裁的な権力者が自分の意のままに世界を統治していくための出発点が異なるだけで、目指すべき方向性は一致しています。2020年度米国大統領選挙は、まさにそのことを実証する出来事でした。グローバリスト達が目指すニューワールドオーダー(新世界秩序)は、決して私達が理想とする世界ではありません。本の一握りのエリート達が他の人類を支配するための支配しやすい仕組みなのです。
 ジョージ・オーウェルの『1984年』では、その支配者をビッグブラザーとして表現し、その支配の方法は情報統制と恐怖でした。今日多くの人々が現実に何が起こっているかを知る手段は、マスコミとインターネット空間であり、また何世代にも亘ってその支配を継続させるためには教育を抑えることが重要です。多くのメインストリームメディアは米国大統領選挙で明らかになったように巨大なお金の力によってグローバリストによってその影響化におかれ、真実を明らかにしようとする者に対しては徹底して事実を捻じ曲げてまで弾圧します。そして選挙不正や治験中のワクチンの強制に異議を唱える勇気ある人々の声を圧殺して来ました。
 更にビックテック企業は今やインフラとして機能しているSNSなどの情報インフラを利用して、自分達が危険人物とみなせばアカウントを消して、自分たちの運営するプラットフォームにおいては、自由な発言ができないように制限しています。人間の基本的人権の中でも最も根本的な権利の一つである言論の自由を一部のプラットフォーマーがまるで自分が神の立場にたっているかのように制限しているのです。共産主義独裁国家から自由を求めてやっとのことで逃れてきた人々が自由の国と信じて逃げ延びてきたアメリカで行われている言論統制を受けて悪夢が蘇ったと感じる人々が増えているといいます。BLM(ブラックライムズマター)やアンティファの動き、ポリテカル・コレクトネスによる偏った価値観の強制が常態化しているのです。米国では民主党の州ではジェンダー・フリーの名のもとに自称女性と称する男性が平気で女子トイレや更衣室に入り、自分はトランスジェンダーで女性であると主張すれば出入りを妨げられないといいます。そして悲惨なレイプ事件も起こっているのです。果たしてこれが本当の自由なのでしょうか。今の米国の民主党(特に左派)の政策を見ていると彼らの目的が米国の伝統秩序の崩壊であり、無神論・唯物思想の蔓延によってアメリカの崩壊を目指しているとしか思えません。

立ち上がり、声を上げる真実に目覚めた勇気を持った人々

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 この度のブログを書くにあたり、一冊の書物に出会いました。それはシカゴ在住の企業経営者であり、空手の師範代で言論人でもある山中泉氏の『アメリカの崩壊』ー分断の進行でこれから何が起こるのか(THE COLLAPSE OF AMERICA)ーという2022年3月31日発行の書物です。事前に情報を得て書店で見つけてすぐに読み終えました。この山中さんに限らず様々な言論人がマスコミが伝えようとしない不都合な真実を勇気を持って発信し始めています。そして、草の根の言論人の努力によって人々の意識が少しづつ変わりつつあります。アメリカではバイデン大統領の支持率が特にアフガニスタンからの惨めな撤退劇の頃から急速に落ち込んでいます。更にバイデン一色、民主党一色だった巨大メディアも真実を隠し切れなくなりつつあります。
 そしてこうした状況を見ていると霊的な環境の変化が人々の意識に影響を与えていると感じます。スピリチュアリズム普及会のインフォメーションを読むとイエスの幽界降臨や地上再臨の様子が克明に描かれ、これまで誤った宗教を信じて他界した多くの宗教指導者が次々と霊的真理に目覚めて覚醒し、幽界においては地殻大変動のような大宗教革命が起こっている様子が述べられています。2000年前に人類の無知故に十字架上で他界されたイエス1800年の時を経て、1848年以降のスピリチュアリズム運動を主導され、『シルバーバーチの霊訓』として霊的真理を地上に展開されました。そして霊的真理が地上に定着した基盤の上に霊的影響力を地上にまで及ぼし、霊媒を通じて直接メッセージを与えるという奇跡のような出来事が起こったのです。
 身の回りを見れば、私たちの周囲にはあまりにも理不尽な出来事が次々と生じているように感じます。しかし、霊的な目を凝らして人類史を俯瞰し、今日起こっている事態を冷静な目で見つめてみるならば悲惨に思える出来事も人々が真実に目覚めて覚醒するための準備段階に入ったとも捉えることが出来ます。地上の権力者は、霊的無知故に人々から真実を隠して物質至上主義と利己主義によってまさに地上を真っ暗な光が射し込まない世界に塗り固めようと必死になって悪事を重ねています。しかし、まるで神のようにふるまう彼らも誰一人として宇宙を支配する神の摂理から逃れられる者はいません。一握りの彼らもいずれは間違いなく地上での生を終えて永遠の霊的人生を歩まざるを得ません。そこでは地上では通用した嘘は通用せず、全ての真実が明らかとなります。
 人類は今、産みの苦しみの中で新しい時代の息吹きを感じる霊的新時代を迎えつつあります。願わくば一人でも多くの命が真実の神の光に触れて、物質主義と利己主義によって足の踏み場もない地上の喧騒から安らぎに満ちた至高の世界の入り口に立たれますことを願って止みません。

 

スピリチュアリズム普及会の総合サイトのスピリチュアリズム・インフォメーション

spiritualism.jp

 

 

 

混迷する世界秩序と歴史の危機の先にあるもの

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ロシアによるウクライナ侵攻

 去る2月24日、ロシアによるウクライナの軍事侵攻が展開され、ウクライナの軍事施設へのピンポイントの攻撃が行われ、世界に衝撃が走りました。既にロシア中の軍隊が軍事演習という名目でウクライナ周辺に配備されていましたが、北京オリンピックが終わるタイミングで実行されたのです。この事態を受けて、G7 を始め世界の多くの国々の政府やマスコミは一斉にプーチン大統領やロシア軍に非難声明を出し、また我が国も含めてロシアに対する経済制裁を発動する動きが加速しています。どのような経緯があるにせよ、軍事的な手段による現状の変更は決して許されることではありませんし、それに対して一日も早く、こうした状況を打破しようとする世界の人々と同じ思いです。
 ただ、この度のウクライナ侵攻の背景に一体何があるのかを冷静に分析し、これからの日本の進むべき道について考えることも今私達が考えなくてはならないことです。第二次世界大戦終了後に、戦勝国を中心に作られた国際連合United Nations)常任理事国国際法違反をした場合には、安全保障理事会が機能せず何の力も発揮できません。そして米国を中心とした安全保障体制も大きな岐路に立たされていることが、この度の事態を受けて、より明確になって来ました。
 1945年、第2次世界大戦終了から既に80年近くが経ちました。第2次世界大戦後の負の遺産として自由民主主義と共産主義の価値観の対立が表面化し米ソを中心とした東西冷戦が44年続き、1989年のマルタ会談で東西冷戦が終結し、その後ソ連邦が崩壊しました。そして経済システムとしては、資本主義が共産国家である中国も含めて、ほぼすべての国が参加するシステムとなりました。ただその後も地域紛争は止むことなく、イラク戦争湾岸戦争)やアフガン戦争、2001年の米国同時多発テロ、近年は米中新冷戦とも言われるように世界の覇権をめぐる戦いは形を変えながら今日まで続いて来ています。    

 世界の警察官としての強いアメリカは既に存在せず、国連には紛争解決の力がもはや存在していない以上、新型コロナ・パンデミックを経て、100年前の世界の状況と重なるような不安定な時代に入ったと見ることもできます。そして自国民の生命と財産は自国で守るという意志がなければ、他国に依存しきっているだけでは国の存続すら危ぶまれる時代に入ったということがこの度のことで明確にされました。平和を維持するにはそのための応分の負担と不断の努力、そして強い意志が欠かせないことを、私達はこの度の事態を通して学ばなくてはならないのだと思います。
 ただ今日世界が混迷を極めて、不安定化している要因を表面的な出来事だけをみていても本当の意味では理解できません。

『資本主義の終焉と歴史の危機』に見る世界観

 最近、法政大学法学部教授の水野和夫氏が「次なる100年」~歴史の危機から学ぶこと~という750ページに及ぶ著書を発刊されました。水野氏は三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフエコノミストを経て内閣官房内閣審議官(国家戦略室)にも在籍されていた方で、2014年に「資本主義の終焉と歴史の危機」、2017年には「閉じてゆく帝国と21世紀経済」を刊行されています。この3冊の著書の中で水野氏は一貫して「世界史とは蒐集(コレクション)の歴史である」と主張します。「蒐集」する対象は最初は、土地でしたが、13世紀の初頭に資本の概念が誕生したことで、その対象は「資本」に変わっていったといいます。軍事力を通じて土地を「蒐集」するよりも、市場を通じて資本を蒐集したほうがコストがかからないからといいます。
 そしてその資本の象徴が利子率であり、その視点から見るとこれまで5000年の金利の歴史の中で2.0%という水準を複数年にわたって切ったことは、過去1度しかないといいます。それが、1611年~1621年のイタリアのジェノバのみで、日本の10年国債の利回りは1997年に2.0%を下回り、20年以上を経過しています。そしてドイツも2012年から追随しています。2.0%を下回った状態では、資本を投下しても利潤を獲得することはできません。そして資本の蒐集が困難になったことは、資本主義というシステムの終焉を意味していると水野氏はいいます。そしてブレグジッドや米国におけるトランプ政権の誕生は、グローバリズムから自国民ファーストへの転換であり、この後、世界は複数の「閉じた帝国」へ100年近くかけて移行していくと水野氏は主張しています。そして今日、経済成長を追求すると企業は巨大な損失を被り、国家は秩序を失う時代になったのだといいます。
 トマ・ピケティが『21世紀の資本』で分析したように、1910年から1970年までは国家が資本をコントロール化に置くことができましたが、その時代にはもう戻れないといいます。この時代は福祉国家の時代であり、資本主義と民主主義が両立できた特殊な時代であり、それを継続するためにはパイの拡大(経済成長)が必須となります。しかし1970年代以降、実物投資空間(地理的・物的空間)の膨張が止まり、アメリカなどの先進国は新自由主義の旗印のもと、新しい蒐集先はグローバルな「電子・金融空間」に移行していきます。そしてそこでとんでもない格差が拡大され、2016年の時点では世界の上位富豪8人の資産総額が下位36億人の財産に匹敵するという異常事態に突入します。ここ数年、マルクスを見直す経済学者が増えているのは、資本主義というシステムの持つ構造的な矛盾が誰の目から見てもはっきりわかるようになって来たからだと私も思います。
 水野氏はゼロ金利で成長の時代は終わっているのに、それを取り戻そうとして日本政府はあらゆる政策を総動員してきましたが、それは一時的な延命にすぎずその努力は徒労に終わるとしています。水野氏は日本が近代=成長に拘泥していると21世紀の新しいシステムに乗り遅れて、数世紀にわたって歴史の表舞台から消える運命が待っているといいます。

物質中心の価値観から利他的価値観への転換の必要性

 これからの「長い21世紀」を通して、世界は資本主義の終焉という危機の中にあって、価値観の大転換と新しいシステムへの移行という時代を迎えています。その表れが戦後の国際秩序の崩壊であり、象徴的な出来事がロシアによるウクライナ侵攻という出来事であるとも言えます。利潤の追求を言い換えると物質中心主義となります。あらゆるものを蒐集しようとする価値観は、飽くことなき欲望の充足を求め個人としては利己主義、国家としてはナショナリズムに向かわざるを得ません。かつて世界はナショナリズムを越えて、グローバリズムという理想郷に向かっているという幻想がありました。 
 
それが幻想になってしまったのは、その価値観の根本に他者とともに生きる(共生)という不偏の価値観が存在していなかったからです。宇宙の根本原理が利他の精神であるとすると、他者から収奪して自分だけ、自分の周りだけの利益を追求するという物質中心の価値観では、真の幸福は得られません。真の幸福とは、自分の周りの人々の幸福な姿を見て初めて得られるものであり、この世のあらゆるものを手に入れようと資本を蒐集しても得られるものではありません。少し飛躍があるかもしれませんが、本質的な幸福とは利他愛の実践による霊性の向上、他者の喜びを自己の幸福とする価値観への転換によってはじめて実現できるのだと改めて思います。
 これから日本が大きな歴史の転換点で裂け目に陥って埋もれてしまわないためには、歴史の教訓に学ぶともに資本主義の次に来る新しいシステムの構築に向けて、ある意味でトップランナーとして歩んでいく道が示されています。それは、共生の思想、利他の精神に基づく、信頼のネットワークと共同体の形成です。資本主義の終焉というメッセージを世界で最初に経験しつつある日本が、その苦しみの中から次の時代を切り開く新しい価値観を提示できれば、日本の未来にも世界の未来にも大きな希望を持つことができます。世界が危機に瀕している今だからこそ、そのことを願って止みません。
 

 

人間の死後存続の事実と私達の人生観

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人間の死後存続について考える

 2022年がスタートして1週間が過ぎようとしています。昨年1年を振り返ってみると様々な人との出会いや貴重な体験の数々が他の何物にも代えがたい魂の宝となっていると感じます。一方で様々な分野の書物との出会いもまた作者との出会いという意味では、貴重な体験を与えてくれました。年齢を重ねて行っても、肉体という限られた制約の中で生きている私達は、その人生の歩みの中で知性と霊性を磨きながら、霊的成長という何物にも代えがたい永遠に続く宝を手に入れて、生活実践の中に取り入れて身につけていくことにより真に価値ある人生を送ることが出来るのです。

 その意味で、人生が肉体という物質次元に限定されたものであり、死後は何も残らないという人生観で生きている人と肉体の死後も私達人間の本質である霊的人生は永遠に続いていくとする人生観で生きている人では、生きる目標と日々の出会いや行いも、大きく異なるものになります。スピリチュアリズムは、霊界側の働きかけとして後者の人生観を私達に提示し、真の価値ある人生を送ってほしいという願いを実体化した霊界主導の地球人類救済計画であり、シルバーバーチの霊訓は、数ある霊訓の中でも最高度の叡智を私達にもたらしました。そしてそのスピリチュアリズムの運動を指導している高級霊の中で最高指導者がナザレのイエスであると明確に示されています。

シルバーバーチのメッセージより

 スピリチュアリズム普及会の発行した「シルバーバーチの霊訓」復刻版の7巻2章の「今なぜスピリチュアリズムか」の中から交霊会の参加者からの質問にシルバーバーチが答えている箇所がります。この中にスピリチュアリズムに関する要約について書かれた部分がありますので、以下に引用します。
「私たち霊団の仕事の一つは、地上へ霊的真理をもたらすことです。これは大変な使命です。霊界から見る地上は無知の程度がひどすぎます。その無知が生み出す悪弊は見るに耐えかねるものがあります。それが地上の悲劇にも反映しておりますが、実はそれがひいては霊界の悲劇にも反映しているのです。・・・霊的というと、これまではどこか神秘的な受けとられ方をされてきましたが、そういう曖昧なものでなしに、実在として霊の真相を説くということです。そのためには何世紀にもわたって受け継がれてきた誤解、無知、偏見、虚偽、偽瞞、迷信、・・要するに人類を暗闇の中に閉じ込めてきた勢力のすべてと闘わねばなりませんでした。私たちはそうした囚われの状態に置かれ続けている人類に霊的解放をもたらすという目的をもって一大軍団を組織しました。お伝えする真理はいたって単純なものなのですが、それにはまず証拠になるものをお見せすることから始めなければなりません。・・・人類史上はじめて宗教が実証的事実を基盤とすることになりました」
 このシルバーバーチのメッセージの中にも、これまで多くの宗教がその教義の中で、人間の死後存続について言及してきましたが、それが霊界の事実とは程遠いものであったことが述べられています。そのことが地上と霊界の悲劇に反映していることを見るに見かねて1848年のハイズビル事件を契機として、人間の死後存続について当時の一流の科学者や言論人を動員して、疑いようのない事実として実証したことが述べられています。「もはや議論や論争のワクを越えた問題です。」とシルバーバーチが述べているように事実を目の前にしても認めようとしない歪んだ心の持ち主は別として一般的な常識を持った人であれば、疑いようのない事実として人間の死後存続が事実であることを世に示したのです。

死後存続の探求と自然法則の探求は矛盾しない

 一方で、私達人間は地上に誕生して与えられた環境の中で、長い歴史をかけて自然界を支配する法則や摂理について探求して来ました。最近読んだ本の中でサイエンスドキュメンタリー作家のポール・セン氏著の「宇宙を解く唯一の科学 熱力学」という本があります。本書では産業革命の勃興した19世紀の英国の科学者サディ・カルノー以来、熱力学と呼ばれる科学理論が解き明かされていくのですが、その中核をなすエネルギー、エントロピー、温度という3つの概念とそれらを支配する法則について多くの科学者が互いに影響を与えながら宇宙の普遍法則を解き明かしていく様が描かれています。カルノー、ジュール、トムソン、ボルツマン、アインシュタイン、ネーター、シャノン、チューリング、ホーキングという名だたる科学者達の熱き情熱と互いに切磋琢磨して影響を与え合いながら宇宙を支配する法則の正体に迫っていく姿を生き生きと描いた本書は、真理の探求という側面からも大変興味深いものがあります。

 一見対立するかに見える人間の死後存続の探求と宇宙を支配する物質面からの自然法則の探求は、宇宙を貫く普遍法則という意味では決して矛盾するものではありません。特にアインシュタイン以降の一般相対性理論の実証と量子論の発展は、私達が現実と認識している日常生活を送る世界がある特殊な条件下で成り立つ事象に過ぎないことを明らかにしました。より大きな視野で眺めて見れば、生命というものが人間の肉眼で認識出来る物質だけで成り立っていると考える方が特殊な見方であり、3次元空間という限られた範囲で目に見えている事象は4次元以上のより高次な次元から見つめてみれば、特殊な事象と捉えることができます。例えば私達は本来立体的な存在である自然や人間、動物や植物を絵画やアニメーションとして2次元に抽象して表現することが可能です。もし仮に2次元に生命が存在していたと仮定したら、3次元の存在者である私達の存在に気づかずに彼らは生きていると考えることができます。同じように3次元という次元より高次な次元に生命が存在していても、3次元しか世界が存在しないと考えている人間にとっては、高次な存在は存在しないと感じても不思議はありません。

 霊的世界というのは、実は現実世界と重なり合って存在しているのですが、3次元の物質世界とはバイブレーションが異なるために存在していないように感じるのです。ただ私達は目には見えない心や意識や思考というものが存在していることは認めざるを得ません。唯物論者は、心や意識や思考も脳という物質の副産物であり、物質以外のものは存在しないと主張しますが、そもそも物質とは別次元の存在を物質という低次元の要素だけで説明しようとしても、無理があり、反って論証できない偏見となってしまうのです。物質次元の人間の知性だけで宇宙の全ての真理を理解できると考えることは傲慢のそしりを免れません。

死後存続の事実と私達の人生観

 人間の死後存続が明らかになることで、多くの問題の解決の糸口が見えてきます。因果律が明らかになり、生命が永遠に存続する中で、僅かな地上生活だけの満足や幸福だけを追求したとしても、真の幸福には至れないこと、利己的な満足だけを追求しても、霊的な成長を伴わなければ、儚い砂上の楼閣に過ぎないことになります。スピリチュアリズムには教義も、教団も、教祖も必要ありません。霊界側から与えられた永遠普遍の真理を人々が理解し、日常生活の中で生かしながら自らの地上人生を価値あるものにしていくだけで良いのです。反って余計な地上人の手垢のついた狭窄物によって肝心の真理が歪められているのです。

 新年にあたって、神の法則は完全な形で定着しているかという質問に対するシルバーバーチの次の言葉を皆様にお送り致します。この1年が皆様にとって実り多い1年であることを祈念致します。

「法則は無窮の過去からずっと存在しています。完全である以上、その枠外から起きるものは何ひとつあり得ないのです。すべての事態に備えられております。あらゆる可能性を認知しているからです。もしも新たに法則を作る必要性が生じたとしたら、神は完全でなくなります。」(シルバーバーチの霊訓7巻10章「質問に答える」より)

永遠に色褪せることのない不朽の真理との出会い

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歴史的なメッセージに込められた人類救済の願い

 2021年を振り返ってみると多くの出会いがあり、道が開かれることを感じる1年でした。中でも、11月14日に東京で開催された東京スピリチュアリズムサークル主催の特別読書会に参加させていただけた事、そこでいただくことが出来た歴史的なメッセージ、更にその後にお会いした小池ご夫妻との出会いは、魂の記憶に残る特別な出会いとなりました。これまでの人生を振り返った時に今思えばその時々に必要な出会いがありました。それは人でもあり、書物を通してであり、時には苦しみを感じる出来事でもありました。その時には、その出会いの意味を理解できないことも多くありますが、後で振り返ってみるとあらゆることに何らかの意味があったと今は思えます。

 私がシルバーバーチの霊訓と出会い、そして深い悩みの淵から引き上げられたのはもう8年程前のことになります。この間、その感動は色褪せることなくむしろ年を経る程に輝きを増し、確信が深まっていくという体験をして参りました。日常生活の中でも、ふとした瞬間に視野が広がっていく感覚や人との何気ない出会いや、そこでの会話の中に何かインスピレーションのようなものを感じたりということは、皆様も経験があると思いますが、私自身は霊的真理を求める度合いに応じて、その感性が磨かれていくように感じています。そしてこの度の出会いを通して、私の魂には決して消え去ることのない確固とした真理に対する確信と、これからの人生を支えていく強いインスピレーションが与えられました。こうした確信を得られたことこそが、何より尊い体験だったと思います。

高級霊界の大審議会でのイエスの姿

 シルバーバーチの霊訓の中で、高級霊界の大審議会の様子が述べられている箇所があります。スピリチュアリズム普及会のニューズレター第32号で「霊界の大審議会と現在のイエス」という記事があり、改めて読み返してみました。この大審議会はキリスト教の教義とは関係ありませんが、年に2回クリスマスとイースターの時期に開かれ、地上におけるスピリチュアリズムの進展の状況が高級霊達に伝えられている様子が述べられています。シルバーバーチはその中でもその審議会の最高責任者であるイエスと親しく交わっている様子が詳細に描かれています。

 そこで描かれているイエス像は、キリスト教の教義の中にある三位一体の神とも、唯一の神の子という偽りのイエスの姿ではなく、“多くの有志を通して地球浄化の大事業を勤しんでおられる、一人の偉大な霊です。”というシルバーバーチの言葉を引用して真実の愛情あふれるイエスの姿を伝えてくれています。そしてイエスに対する正しい姿勢・考え方として以下のシルバーバーチの言葉を引用しています。“誰の手も届かない所に祭り上げられたらイエスが喜ばれると思うのは間違いです。・・・人類と共に喜び、共に苦しむことを望まれます。一つの生き方の規範を示しておられるのです。・・私にはイエスを過少評価するつもりは毛頭ありません。今、この時点でなさっているイエスの仕事を知っておりますし、ご自身は神として崇められることを望んでおられないことも知っております。イエスの生涯の価値は、人間が規範とすべきその生き方にあります。イエスという一個の人間を崇拝することを止めない限り、キリスト教は神のインスピレーションに恵まれることはないでしょう。”

地上と霊界を照らす一条の光

 スピリチュアリズム普及会の最新のインフォーメーションでは、イエスの幽界降臨の様子と地縛霊となっているかつて地上時代にキリスト教の聖職者であった方達が間違った教義に気が付き、シルバーバーチの霊訓に示された霊的真理によって、目覚めて地縛状態から解放されて新たな霊的人生を歩み始める様子が感動的に記述されています。かつて誤った宗教の教義によって多大な影響を受けた体験を持つ私自身にとっても、こうした霊界の出来事は他人事ではありませんでした。そして、人生におけるギリギリの苦しみの体験を通してもう一度、不変の真理を求める中でシルバーバーチの霊訓に出会い、霊界主導の地上人類救済計画であるスピリチュアリズムという決して色褪せることのない霊界の事実、人生の真の価値とは何かを知ることが出来たことを改めて感謝しています。その体験は、どのような言葉によっても、言い表すことのできない心の安らぎと生きることへの確信を魂の次元で感じるものでした。行先真っ暗に見えた残された肉体を持った人生、そしてその後に続くであろう永遠の霊的人生までをも明るく照らす光に出会ったのです。

 それは、深い苦しみの中にあったからこそ、そして先が全く見えない暗闇の中にあったからこそ、一条の光が心の最深部に突き刺さった瞬間でもありました。私たち人間は、どのような境遇にあったとしても、どのような環境下に置かれていたとしても、心の奥底で「何故、自分は生まれてきたのか」「幸福を求めているのに何故、人生には苦しみがあるのか」「死後の世界は本当にあるのか、あるとしたらどのような世界なのか」「神は存在するのか、存在するとすれば如何なる存在なのか」「多くの人々が平和を望んでいるのに争いは何故絶えないのか」など究極の答えを求めています。その答えを求めて数多くの書物を読んだとしても、またある時は心の救いを求めて宗教の門を叩いたとしても、ますます混迷の中に身を置く結果となることもしばしばです。

 長い歴史を耐え抜いて、今日までも多くの信者を有するキリスト教イスラム教などの一神教においても、それ以外の数多くの宗教においても、特に19世紀以降の科学技術の急速な発達によって、その教義は色褪せて形骸化したり、返って信ずることによって争いの種となってしまっていることは否定できない事実です。そして現在日本においても、既存の宗教のみでなく様々な新興宗教の誤った教義によってかえって人生の意義を見失い、行き場を失って多くの人々が深い悩みや苦しみの中で過ごしています。それは、どんなに優れた教えのように見えても、霊界の高級霊の基準から見れば真実とは程遠い霊性のレベルである地上の人間から出発したもの故の限界があり、更に教祖を神格化することによって人々を誤った方向に導いてしまっているからなのです。

シルバーバーチの霊訓は、高級霊からからのメッセージ

 シルバーバーチの霊訓は、何故これほど多くの人々の心に深く影響を与えるのでしょうか?それは、肉体を持った地上人が限られた地上人生の中で到達できるものではなく、地上という制約を越えた永遠に続く霊的な世界のしかも最高次元に到達した知性から現在の地上に生きる私たちに与えられた決して色褪せない真理が示されているからなのです。その真理を体系的に理解し、実践することを通して、私たちは本来のあるべき人間としての人生を歩むことが出来るのです。

 スピリチュアリズム普及会の皆様は、モーリス・バーバネルが他界してから後、今日に至るまでシルバーバーチの霊訓を始めとした高級霊からの通信を多くの人々にインターネットを通してその真意を伝えて来られました。またその思想を体系化して実践的な内容として示すとともに、その教えを実践されることを通して高級霊の願い、そしてその最高責任者であるイエスの願いを地上に展開されて来ました。そして今日、イエスを始めとした高級霊の働きは地上近くまで到達しつつあります。その働きは、霊界の中で地上に最も近い幽界の下層にまで及んでいます。その歴史的な瞬間に正に私達は生きているのです。今、現実の生活の中で息苦しさを感じ、人生の根本問題に遭遇している人々にこの真理の光が届けられ真の価値ある地上人生を送る糧となることを願い、クリスマスを前にしてこのメッセージをお届けします。

立ち止まって今という時代(とき)を考える

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人類史の中でも特別な今という時代

 2021年は、昨年の始めから全人類を襲った新型コロナウィルス感染症の脅威に人々が立ち向かい、そこで何か大切な価値観に目覚めるきっかけとなれたなら、ある意味では意義深い年となったといえると思います。私自身、この1年一人でいる時間が多くなり、普段はじっくり読むことのできない書物にふれる機会に数多く恵まれました。それらの書物の中には、自分の確信をより深めることに役立ったり、今抱えている課題の解決に向けて、ヒントを与えてくれるものなど、多くは今の自分が必要としている知識と自分の霊性の向上に役立つ知恵を与えてくれるものだったと思います。本の作者に感謝するとともに、そのような恵みに浴する機会を与えてくださった見えない導きにも心から感謝致します。

 私達は、今という時代が人類史の中で特別な時代に位置づけられることを様々な識者の見解を聞くまでもなく、身近に感じています。例えば、インターネットに代表される情報通信技術の発展によって、私達は自身が望めば人類がこれまで長い歴史をかけて蓄積してきた叡智とも言える高度な知識にも、また身近な情報にも瞬時にアクセスできる環境が与えられています。日々蓄積される情報がどんなに膨大なものであっても、それらを秩序を持って格納し、人は検索という行為によって、機械はコンピュータ言語によって必要な情報にアクセスし、またその情報の意味を理解し、現実にフィードバックして現実をより良くすることも可能になりつつあります。今日人工知能(AI)に多くの人々が関心を持ち期待するのも、膨大なデータを処理する能力が機械に備わり、機械学習や深層学習(ディープラーニング)によって、これまでの人間の思考では到達出来なかった解を見出すことができるのではないかという期待も込められていると言えましょう。

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「LIFE3.0」で示されたテグマークの警告

 ただ、宇宙物理学者であると同時にAIの未来に警鐘を鳴らしているマサチューセッツ工科大学教授のマックス・テグマークのような学者や知識人も多く存在します。2020年1月に発刊された『LIFE3.0』で、テグマークはライフ1.0を生物学的段階としてDNAによってハードウェアとソフトウェアが進化する段階、ライフ2.0は文化的段階として人類の登場によってハードウェアは進化するが、ソフトウェアの大部分はデザインされる段階、ライフ3・0は汎用人工知能の誕生による技術的段階としてハードウェアとソフトウェアがデザインされる段階と定義しています。そして将来誕生する可能性のある汎用人工知能(AGI)登場をどう捉えるべきかについて警鐘を鳴らし、AIの安全な研究を推進するための団体「生命の未来研究所(FLI)」を共同設立し、2017年に発表された「アロシマAI原則」の取りまとめにも貢献しました。デグマークはステーブン・ホーキングとも生前親交があり、AIの脅威を訴えるという点では、ホーキングと同様の考えを持っています。
 第2次世界大戦において、人類はウランやプルトニウムなどの元素の原子核が起こす核分裂反応を使用した原子爆弾を開発し、日本は広島と長崎で人類で初めてそのあまりにも悲惨な被害を受けました。それまで物理学の世界の研究であった核分裂反応が兵器として使われることを当時の人々は止めることが出来ませんでした。つまり物質の根源を理解し、それを現実世界に応用しようとした時に、エネルギーとして抽出し、人々の生活の向上の役立てようとする(原子力発電)という方向も模索されましたが、大量破壊兵器を生み出すという結果にもつながってしまったのです。その原子力発電という技術も、発電する際に「高レベル放射性物質」が生成されますが、最終処分地がまだ決定しておらず、さらに半減期が極めて長い放射性物質もあるため、長期間厳重に管理する必要があるという大きなデメリットがあり、長期的な視点では安定的なエネルギー源とは言えません。今日私達の生活に欠かすことの出来ない存在となったAIも、原子力の問題のように人類の未来にとって脅威とならないという保証はどこにもありません。

人間とは何かを明確に定義する

 そこで、2021年の今、私達が立ち止まって考えなくてはならないことは一体どのようなことなのでしょう。現代人は科学技術の恩恵をこれまでのどの時代の人々よりも多く受けています。確かに科学技術は、私達の暮らしを快適なものにするために多く貢献してきました。ただ一方で、これだけ高度な医療が発達しても、病気はなくならないどころか、この度の感染症の脅威だけでなく、人々は薬という対症療法では健康を維持することが本来の意味ではできないことに、気がつきつつあります。人間という存在を物質という側面からだけ見て、物質的な面だけでの検査や異常を発見することは出来ても、その病気の根本原因を解決することは出来ません。

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 最近、ホリスティック医学・健康学研究所から2021年10月に発行された『ホリスティック医学入門&ホリスティック健康学入門』を読む機会がありました。この中で健康について「健康とは、人間の構成要素(霊・心・身体)が健全なネットワークを形成し、身体全体が調和状態に置かれ、自然界と一体化した状態のこと」(184ページ)と定義されています。この本は人間とは何かというスピリチュアリズムによって人類に初めてもたらされた人間観に立脚した思想に基づいて書かれています。この問題は、医療や健康という問題にとどまらず、今日の科学技術を支える思想の中にも同じ矛盾を見出すことが出来ます。この問題は目に見える物質世界を支配する物理法則のみによって自然や人間の全てを理解しようとすることによって本来の世界を形成している目には見えないが存在する霊の世界や心の世界を支配する自然法則(摂理)からずれてしまい、その結果多くの悲劇を生み出している現代人の本質的な無知に行き着きます。物質的な面でいくら利便性が増したとしても、それを正しく宇宙を支配する自然の摂理に調和させて使用しなければ、結果としては摂理違反として大きな災難を起こす結果となってしまうのです。

今こそ、正しい人生観・価値観の確立を

 1848年からスピリチュアリズム運動という霊界主導で地上人類にもたらされた霊的真理は、これまで人類が到達出来なかった真の健康で幸福な人生を一人一人が手にする道を示してくれました。スピリチュアリズムの登場によって人類は真理に基づく医療や健康の実現、真理に基づく科学技術の活用の道を与えられつつあります。その意味で今という時は未来の人類から見た時に大きな転換点を迎えた時として記憶される時なのです。それは霊的真理という明確なビジョンが与えられ、それを正しく理解し、実践することによって霊的無知という暗闇の中から、霊的真理というどのような地上の宝にも到底及ばない永遠の価値ある宝を与えられ、その調和に満ちた真理の道へと歩むことが許される時代に生きているということです。苦しみに満ちたと思われた地上の人生が実は肉体の死後、永遠に続く霊的人生を価値あるものにするための試練の場であり、そこで正しい道を歩んだ者には、決して滅びることのない希望ある永遠の生命が待っているという宇宙を支配する摂理(真理)です。どうぞ、今苦しみの中にあって生きる希望を失いかけている方々にこそ、この生命のメッセージが届くことを願ってやみません。

歴史の大転換にあたって ~私たちは、今何を学びそして何を実践すべきか~

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170年以上に及ぶスピリチュアリズムの歴史

 現代世界をどのように見るかは何にフォーカスを当てて見るかによって人によって認識はそれぞれ異なりますが、スピリチュアリズムという視点から俯瞰してみると少なくても、霊的真理を地上に降ろすために霊界側の働きかけで起こった1848年のハイズビル事件(物理的心霊現象)から170年以上が経過しました。1850年代には、フランス人のアラン・カルディックが「霊の書」を発行し、1870年代から80年代にかけて英国人牧師のステイントン・モーゼスがインぺレー霊団より受信した内容を「霊訓」として出版し、霊界からの集中的な働きかけが始まりました。1900年代にはフレデリック・マイヤースがSPR(心霊研究協会)の会長に就任した後に他界し、その後、霊媒であるジュラルデン・カミンズ女史に通信を送り、『永遠の大道』『個人的存在の彼方』が出版されます。更に1920年代には、ジョージ・ヴェイル・オーエン牧師の『ベールの彼方の生活』が出版され、更にアーサー・コナン・ドイルが1930年に他界するまでスピリチュアリストとして晩年世界講演旅行を行いました。ドイルは、他界した後、霊媒のグレース・クック女史を通して霊界通信を送り、クック女史の夫のアイヴァン・クック氏により『人類へのスーパーメッセージ』が出版されました。

 1940年代からはハリー・エドワーズの心霊治療が開始されました。そして1920年代から1981年に霊媒のモーリス・バーバネルが他界するまで続けられた交霊会の内容を編纂した『シルバーバーチの霊訓』は、それまでの霊界通信の中でも最高の叡智として人類に届けられ、今日に至っています。その後、シルバーバーチの霊訓は近藤千雄氏によって日本語訳され、日本におけるスピリチュアリズム運動が展開されていくための大きな役割を果たして来ました。

日本におけるスピリチュアリズム普及の歩み

 そして、そのシルバーバーチの霊訓が人類史上最高の教えであり、最高の叡智であるという確信の中で日本国内の普及啓蒙を行ってきたのが、スピリチュアリズム普及会の皆様です。私自身、普及会の皆様から多くのことを学ばせていただき、毎月の読書会に生かさせていただいています。日本におけるスピリチュアリズム運動を牽引してきたともいえるスピリチュアリズム普及会は、霊的真理の普及活動を地道に行うとともに、公式サイトでは、シルバーバーチの霊訓等の霊的真理を多くの方々に無料で読んでいただくことを目的に下記のスピリチュアリズムブックス

spiritualism-books.jp

という第2公式サイトを提供し、またメンバーによるスピリチュアル・ヒーリングを行ってきました。こうした活動を続けて来たスピリチュアリズム普及会に昨年頃から高級霊からの通信が多く届けられるようになり、その内容は現在下記のインフォメーションを通して多くが公開されています。

www5a.biglobe.ne.jp

 スピリチュアリズムの運動は、これまでの既存の宗教活動とは一線を画した運動です。それは、前々回のブログでも書かせていただいたように、地上のこれまで宗教組織のように教祖や教義、教団という形式が一切なく、霊界の高級霊の主導によってもたらされた霊的真理に基づく人類救済計画であるという点です。その始まりが物理的心霊現象から始まったのも、その内容が地上人ではなく、明確に霊界の霊人からのものであることを実証するためのものでした。またオカルトとして恐怖心を与えるような低俗な地上人の興味を引く現象とも異なり、肉体を持った地上人には及ばない高い霊性を備えた高級霊団からの通信を計画的、組織的に送ってきているということが歴史的に明らかになっています。そしてそのスピリチュアリズム運動の最高指導者こそが、約2000年前に地上に誕生して、当時の人類の無知故に十字架上で処刑されたイエスその人であるというのです。それはシルバーバーチを始めとした多くの高級霊が同様のことを証言しています。

 現代を生きる私達は、死後の世界は漠然とあると思っている人が多いとは言え、正しい意味で死後の世界の事実、霊界と地上界の関係について理解している人は殆どいません。地上には多くの宗教団体が存在していますが、誰もが納得できる形で説明できる教義は殆どありません。何故なら、霊界からの働きかけがあったとはいえ、それが高級霊からのものであるかどうかは確かめようがなく、また一旦教団組織ができると誤った教義であっても洗脳が行われたり、地縁、血縁によって真理か否かではなく、何かためになる教えと捉えて漠然と何となく入っているという場合が圧倒的に多いからです。

霊的真理の普及による地上人類救済の道

 もちろんキリスト教イスラム教、そして仏教など多くの宗教は歴史的に多大な影響を人類に与えて来ました。多くの宗教は、人として人生を歩む上での共通の真理を伝えようとしてきました。しかし、その影響は必ずしも人々の霊性の向上に役立つものばかりでなく、返って霊界の事実を正しく伝えていないことにより、死後霊界に入ってからの生活に混乱を与えたり、間違った教義を信じて他界することで中々正しく目覚めることが出来ずに長く幽界の下層に留まって地縛霊になってしまうなど良くない影響が多々ありました。それは、多くの宗教の教えが霊的真理の全体像からみると部分的であったり、人工的な人間の意図が後世の人々によって混入してしまったためでした。こうして霊的無知に陥り、自分の本質が霊的存在であることが分からなくなり、その結果物質中心の価値観や利己主義によって、正しい人生観や価値観から外れてしまった人類に対して、正しい霊的知識を与え、人生の真の意味を伝えようという霊界側からの働きかけによって起こされたのが、スピリチュアリズム運動なのです。

 今、多くの人々は幾多の困難な状況を抱え、霊的真理が分からないが故に苦しみを乗り越える術が分からずに、真の希望を持つことが出来ずに日々を送っています。苦しみや困難は、それ自体を乗り越えることによってカルマの清算や霊的成長につながる恩恵という肯定的な面があるのですが、霊的真理に対する無知からただ逃れようとしたり、苦しみに対して不平や不満をいだくことによって返ってカルマを作ってしまう場合が多いのです。こうした霊的真理を知らないが故の不幸を少しでもなくし、正しい人生観、価値観を持って一人でも多くの人に幸福な人生を歩んでほしい、そのような思いで、日々高級霊の指導のもとでスピリチュアリストは歩んでいます。一人でも、多くの方が霊的真理に触れることで神が願い、自ら求めて来た人生を歩んでいただけるように願ってやみません。

 

※参考資料

スピリチュアリズム普及会 公式チャンネル

 宗教の観点から見たスピリチュアリズムの全体像

www.youtube.com