札幌スピリチュアリスト・ブログ

スピリチュアリストとして日々感じたことや、考えたこと、書籍の紹介などを徒然なるままに記します。

苦しい時、悲しい時こそ内奥の霊的資質が顕現する好機

 

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 人は、誕生してから幼年期、少年(少女)期、青年期、壮年期、そして人生の黄昏を迎えた老年期と人生行路を歩んでいく中で、様々な人との出会いや出来事を通じてその時、その瞬間でなければ経験することの出来ない多くの体験を積んで参ります。時には、楽しく暖かさに触れる体験や出会いもあるでしょうし、辛く苦しい体験や、切ない思い出、悲しい体験など其の時々に体験する思いは千差万別です。私自身これまでの人生を振り返るとこうしたかけがいのない日々の歩み一つ一つが今の自分という存在を形づくっていると感じることが多々あります。失敗したことや過ちをおかした事も含めて全てが今の自分というものを形作っていると言えましょう。問題は、その貴重な経験や体験や出会いを如何に人としての人格の成長につなげていくことが出来たのか、ある意味で霊性の向上につなげることが出来たのかが何よりも問われる内容であると今は思えます。
 そうした人生を歩む中で今思い出しても心が痛むような苦しみを伴った経験も通過してきたように思います。シルバーバーチの霊訓の中にも「進化とは、不完全なものが少しづつ完全になっていくことを意味するのですから、それは当然苦を伴う過程であるはずです。」という言葉があります。苦しみの中でもがき苦しんでいる最中には、目の前は真っ暗闇で希望の光が見えないと感じます。まして自分が信じていたものが音を立てて崩れたように感じた時、愛している存在から裏切られたと感じた時、大都会の中で自分が孤立していると感じた時、心や身体が病気に蝕まれた時、社会組織の中で理不尽な扱いを受けていると感じた時、自然災害や不慮の事故でかけがいのない人を急に失った時、愛する人が或いは自分自身が癌の宣告を受けた時、人はまるで奈落の底に突き落とされたかのような苦しみや悲しみを感じます。
 第二次世界大戦の最中で行われたある日の交霊会でシルバーバーチはこのように述べています。「真の信仰を身につける好機はすべてのことが順調に行っている時ではありません。そんな時に信仰を口にすることは誰にでもできることです。暗黒の時に身に着けたものこそ本当の信念と言えます。太陽がさんさんと輝き、何の苦労もなく、前途に何の心配もない生活を送っている時に私は神を信じますというのは容易なことです。しかし、そんな呑気な生活の中での信仰の告白には何の価値もありません。中略 風が吹こうが嵐が狂おうが世界がいかに混乱し全てが暗黒に包まれ絶望的になろうと、宇宙の全生命を創造し神性を賦与した力は決して自分をお見捨てにならないと信じる。中略 宇宙の大霊すなわち神の力はあなた方人間を通して流れるのです。もし人間が確固たる不動の冷静さを保ち得ずに怖気づいてしまえば、その力は発揮されません。あなた方一人一人が神なのです。神はあなた方から切り離された何か別の存在ではないのです。宇宙の大霊というのは何か形のない、遠い宇宙の果てにふわふわ浮いている靄のような存在ではありません。人間の内奥に宿された霊的な資質を発揮すればするほど、それだけ宇宙の大霊をこの世に顕現したことになります。これは是非学んでいただきたい教訓です。霊が進化するということはそのことを言うのです。そうやって個性が築かれていくのです。成長するというのはそういうことなのです。」(シルバーバーチの霊訓3巻 2章「悲しい時、苦しい時こそ」より抜粋)
 身近な私たちを取り巻く日常の人間関係から、地球上に住むすべての人々に至るまで思いを馳せてみると、一方で相互の信頼や真の利他愛による心あたたまる光景を目にすると同時に、他方では利己的な思いから生ずる不信や分裂や憎悪による様々な出来事が世界を覆っているようにも感じます。私たちが住む母国である日本も例外ではありません。20世紀は2度の世界大戦を経て人々は、人間の利己性に根ざした相互不信を遠因として生ずる戦争の代価が如何に大きなものかを教訓として学んだはずでした。また無神論や唯物主義が人間に幸福をもたらすものでないことも事実として学んで来ました。しかし、21世紀に入って20年近くを経過した今尚、私達は根本的な不安や恐怖から開放されてはいません。それは、人間の本質が神の分霊として誕生した霊であり、本来は深い利他愛を心の内奥に秘めた存在であること、宇宙を創造した神とはいかなる存在であるか、生きる意味とは如何なることか、深い神性に根ざした利他性を伴う愛とはいかなるものか、そして真の幸福とは何か、このような人として持つ根本的な疑問に対する答えを見出すことが出来なかったからです。今日、こうした全ての人々がその答えを模索してきた疑問に対して明確な回答をもたらしたものが、1848年のフォックス家事件を契機として高級霊からの通信によってもたらされたスピリチュアリズムであり、その中でも最高峰の真理として示されたシルバーバーチの霊訓なのです。
 多くの人々は今、幾多の困難と苦しみの中にあって永遠に色褪せることのない不変の真理とは何かを求めています。どうぞ多くの悩める魂が、この真理の光に触れて絶望の淵から希望に満ちた人生への扉を開いていただけるように願ってやみません。