これまでの人生を振り返って
先回、ブログを書いてから半年程が経過しました。この間、何度か更新する機会はあったのですが、何かスッキリと文章が定まらないまま半年間が経過してしまいました。今回は、少し心の中が整理されたので、久しぶりに書かせていただくことにしました。人は年齢を重ね、また様々な人生経験を積み重ねる中で、次第に目に見える現実と思っている世界の背後に実際には、どのような世界が広がっているのかを認識することができるようになります。そして自分の人生を振り返ってみて、あの時の出来事はこの事を悟るために必要な出来事であったのだと腑に落ちる瞬間があるものです。
自分自身の60数年の人生を振り返っても、今になって思えば、人生の節目・節目で出会った人や体験が今の自分を形作って来たのだと何度も腑に落ちる瞬間がありました。それは時として、辛い体験であったり厳しい試練であったり、挫折感であったり様々です。今は思い出となってしまった辛い時期の数々を振り返って見ると、その試練にあっている時期には早く過ぎ去ってほしいと思うものですが、後になって見るとその辛い体験があったから、今の自分があるのだと確信が持てる時が必ず訪れるようになります。自然界に法則があるように、人生行路における様々な体験やその時にどのような判断をしたかは、その後の人生(それは肉体の死を経た後も)に目に見えない世界を貫く法則(神の摂理)によって大きな影響を及ぼします。私はシルバーバーチの霊訓を人生の指針としてからも、既に7-8年の時が流れましたが、日々その思いを強くしています。
個人としてのこのような体験の一つ一つの積み重ねが人類歴史であると思いますし、その歴史の流れの中で、民族や国家という単位においても、様々な出来事や人々の体験の集積を経て今日の私達の生きている世界が成り立っているのだと思います。スピリチュアリズム運動を指揮して来られたイエスの立場からこうした人類全体の歩みをどのような思いで眺めて来られたのだろうと思いを馳せてみました。シルバーバーチの霊訓の中でも、イエスはクリスマスと復活祭の前後に開かれる大審議会では、高級霊界の指導者として現れて地上におけるスピリチュアリズム運動の進展(特にシルバーバーチの霊訓の地上への降下)についてのシルバーバーチ霊の報告を受けている様子が描かれています。
シルバーバーチの霊訓と英国の実情
霊媒のモーリス・バーバネルが他界し、シルバーバーチの通信が途絶えてから40年以上が経過しました。その後の地上における霊的真理の普及の状況をイエスは、どのように見ておられたのでしょうか。本来ならばシルバーバーチの霊訓が降ろされたキリスト教国でもあり、スピリチュアリズム運動の盛んな英国で、シルバーバーチの霊訓を中心とした普及活動が展開されることを期待されていたに違いありません。日本のスピリチュアリズム普及会では、これまでニュースレターの28号(シルバーバーチの故郷を訪ねて英国訪問の報告)やインフォメーションの31号(日本のスピリチュアリズム展開に期待する、霊界の大先輩スピリチュアリスト―英国スピリチュアリズム界は、G・ヒギンソンの精神に立ち返れ!)の記事の中で、英国のスピリチュアリズムの実情が述べられていますが、今なお初期のスピリチュアリズム(霊魂説の証明のために様々な心霊現象が起こされた当時のスピリチュアリズム)の物理的心霊現象の次元に留まっている様子が述べられています。
このような状況をイエスはどのように見つめておられたのでしょうか。英国では高級霊界の総力を挙げて地上に降ろされた人類史上最高の叡智であるシルバーバーチの霊訓の真の意味を理解し、その内容を実践的な内容として体系化し、しかも信仰次元で実践する組織も、その萌芽となる動きも残念ながら認められなかったことがこれらの記事から読み取ることができます。そのような状況の中で、日本のスピリチュアリズム普及会では、シルバーバーチの霊訓の全文を無償であらゆる人が読むことができるようにホームページで掲載し、絶版になってしまった潮文社発行の全12巻を復刊し、更にスピリチュアリズムの全体像を整理した上で思想体系としてまとめられました。今、私達がシルバーバーチの霊訓を人生の指針として学ぶことができるのは、ひとえにスピリチュアリズム普及会の皆様の誠心誠意を込めた尽力によるものと言って過言ではありません。そのことは、シルバーバーチの霊訓を人生の指針として歩まれている国内のスピリチュアリストの方々の共通認識であると思われます。その様子を高級霊、そして総指揮者であるイエスはどのように見られていたことでしょう。
イエスの地上再臨の意義とスピリチュアリストの使命
スピリチュアリズム普及会では、インフォメーション41号以降にイエスの地上再臨の様子と再臨されたイエスからのメッセージを公表するようになりました。これまでベールに包まれていたイエスが地上の霊媒を通してメッセージを直接伝えることができるようになったという内容を読んで、スピリチュアリズム、とりわけシルバーバーチの霊訓を人生の指針として歩んで来られた方々は、驚かれたことと思います。シルバーバーチの霊訓以降、それ以上の通信が霊界側から降ろされるはずはないと固く信じていた方々にとっては、信じられないような衝撃であったに違いありません。しかし冷静になって、これまでの経緯を見つめてみれば、驚くべきことであるには違いありませんが、信じがたいことではないというとがわかります。
イエスの指導のもとで地上に降ろされたシルバーバーチの霊訓は、ただの知的教養として降ろされたものではありません。2000年前に地上に肉体をもって誕生されたイエスが地上人類に本当は生前に伝えたかった『霊的真理』、そして霊界の人々が唯一の真理として認め実践している内容を地上の人々にも共通の真理として理解させるために高級霊団を組織し、一糸乱れぬ体制を整えた上で降ろされた最高の叡智がシルバーバーチの霊訓です。その事を誰よりも深く理解し、そのために40年以上の歳月を人生の全てを捧げて準備をして来られた方々がスピリチュアリズム普及会の皆様であり、霊界側からその様子を見ておられたイエスが、このスピリチュアリズム普及会を足場にして地上再臨を果たされたとしても、決して不思議ではありません。霊界側の準備と地上側の準備が見事に一致したという意味では奇跡的な出来事ではありますが、決してあり得ない出来事ではありません。
真のスピリチュアリストとなる道
これまで、地上には数々の宗教が誕生してきましたが、霊界側からみて合格の太鼓判を押せるものは一つもなかったとシルバーバーチが述べている通り、どの宗教の教義を見ても、霊的無知を克服し、人類を救済しうるものは一つとしてありません。それは地上人の霊性のレベルでは、真理の全貌を理解することは不可能であり、キリスト教やイエスラム教のような一神教であっても、多神教であっても、自然崇拝から始まった宗教であっても、どれも霊的真理に至ることができなかったからです。イエスがシルバーバーチという高級霊を通して地上に降ろされた霊訓は、その正しい理解と実践によって地上人類が不幸の究極の原因である霊的無知を克服し、死後霊界に行ってからも霊界の人々とともに信仰することになる霊的真理そのものであり、人類を真に救いうる唯一の宗教なのです。
シルバーバーチの霊訓を人生の指針として歩んでおられるスピリチュアリストの方々は、他の人々に先駆けて霊的真理に触れ、それまでの人生行路でどのような辛い体験があったとしても、永遠の救いに至る霊的真理を実践することによって救いの道に至ることを知ったかけがえのない方々です。イエスは、2000年来の悲願であった地上再臨を果たした今、地上のスピリチュアリスト、死後霊界にいって、霊的真理に目覚めた霊界のスピリチュアリストと手を携えて真の宗教革命、人類救済計画を強力に推し進めようとされています。そして、その足場として日本のスピリチュアリズム普及会を準備して来られたのです。
2000年前、イエスはわずか3年程しか伝道の期間を与えられませんでした。当時の人類の霊的無知故に志(こころざし)なかばで、地上界を後にしなければなりませんでした。スピリチュアリズム運動は、そのイエスがもう一度地上に再臨を果たすために霊界側から地上に働きかけた運動であり、シルバーバーチの霊訓は、イエスの教えそのものでした。そのことをインフォーメーションの内容を通して私達は初めて知ることができました。私達は、2000年前の地上人類の過ちを2度と繰り返してはなりません。持てる霊性と理性を総動員してイエスの語られたメッセージの内容を吟味し、今自らが何をなさねばならないかを判断しなくてはなりません。真のスピリチュアリストとして歩むために地上の全てのスピリチュアリストが自らの使命に目覚めて地上の道具としてイエスの願いを受けて真理普及の最前線に立って歩まれることを願ってやみません